娘が最優先だが、シングルマザーにだって息抜きをする自由はあるはずだ
男友だちと飲みに行っただけ
「5年の結婚生活を解消したのは4年前。以来、ひとりで働いてひとりで子どもを育てて……。大変だったけど、今年から娘も小学生。一生懸命、お手伝いをしてくれる子を見ていると、ますますがんばらなければと思う日々です」サユリさん(40歳)はそう言って笑顔を見せた。夫の「妻たるものは、こうあるべき」というモラハラに耐えかねて離婚した。その後は会社勤めをしながら、家でできる副業ももち、ときにベビーシッターを雇い、ときに近所に住む従姉妹の「温情にすがりながら」なんとかがんばってきた。
「再婚する気はありません。今のところは恋人もいらない。だけど、たまには男友だちと一杯やるくらいはいいんじゃないかと、ようやく思えるようになりました。この春、たまたま、勤め先近くで学生時代の友人とばったり会ったんです。彼は東京に転勤してきたばかりで、会社もすぐ近くだった」
一度、飲もうと言われて、離婚してシングルマザーであること、夜は極力家にいるようにしているけど、時間を作るから待っててと洗いざらい話した。
従姉妹に娘を預かってもらって出かけた
「彼は、うちの妹もシングルマザーなんだよ、大変だよねと共感してくれて。娘を預かってくれる従姉妹の都合を聞いて、1カ月ほどたったころ、ようやく彼と居酒屋で会いました。学生時代の話とか今のこと、仕事から趣味の話まで、よくしゃべりました。気づいたら4時間もたっていて、あわてて帰りました。従姉妹には残業と言ってしまったので、娘を迎えに行ったら『大変ね。お疲れさま』とねぎらわれて申し訳ない気持ちにはなったんです」だが、彼からは「今度は当時の仲間も呼ぼう」という連絡があり、長年、緊張した日常を送ってきたサユリさんの心はぐらついた。
「月に1度くらい、そんなお楽しみがあってもいいんじゃないかと思ったんです。だから次のときは娘が小さいころから知っているシッターさんを頼みました」
何ら後ろめたいことはない話である。
>近所の人に男友だちとでかけたところを密告される