この話がなかなか好評だったので、今回は積立投資に向いている投資先のポイントをまとめました。
新NISAにもピッタリ!
2024年から新しいNISAが始まりました。過去にも「新NISAで買うならどんな株が狙い目か?」まとめましたが、本記事では特に積立投資をする場合の投資先について焦点を絞ってお話しします。ズバリ、意識すべきポイントは2つです。
1つ目のポイントは、過去にも「新NISAで買うならどんな株が狙い目か?」という記事でまとめましたが、投資先に「将来性がある」ことです。
将来性の高さは、「株を売ろうと思っている時期に、供給が足りなくなりそうなものを売っている会社かどうか?」で判断するとよいでしょう。
キーワードは「不足」です。なぜ「不足」が大事なのか?というと、足りないものを売っている会社は、価格競争に陥りにくいからです。
1990年以降、日本企業の多くは、「足りているものを売る」ことで、激しい価格競争に晒されました。
供給が足りている商品は、遅かれ早かれ「コモディティ化(商品の陳腐化)」します。
分かりやすい例が「砂糖」や「小麦」などです。
コモディティ化した商品は「誰が作っているか?」「どんなブランドか?」はあまり関係なく、安いものが売れます。
スーパーで砂糖や小麦を買うときに、「誰が作ったかな?」を意識することは、あまりないんじゃないでしょうか。
それよりも「グラムあたりいくらか?」「お買い得か?」に意識が向くはずです。
いつでもどこでも買える商品は、このように「安ければよい」となりやすく、その商品を扱っている会社からすると、激しい価格競争に晒されて、儲けるだけでも一苦労になってしまいます。
一方、「足りないもの」を売っている会社は別です。
たとえば、2020年にはマスクが足りなくなって騒動になりました。ドラッグストアなどではマスクを買い占めるヒトも出てきたり、転売されたりして「1パック5000円」ということも、珍しくありませんでした。
この手の転売は倫理的に賛同できませんが、それでも「足りないものを売っている会社は潤う」という理屈はお分かりいただけるかと思います。
バブルになりにくい地味な株
「不足しているモノを売っている」以外に大事なのは、その株が「地味であること」です。これがポイントの2つ目になります。さいきんではAI関連の株が高騰していますが、株式市場は「新しい技術」や「イノベーション」が大好きです。
技術やイノベーションが素晴らしいものであることは間違いないのですが、それでも「高くなりすぎた人気な株」の多くは、低迷しやすい傾向があります。
すこし前に「インデックス投資の弱点はバブルだ!」という記事を書きましたが、割高な株を買っても、株価が上がるとは期待しにくいです。
まとめ
ここまでの話をまとめると、積立投資に向いている投資先というのは「これから不足する可能性が高い商品を売っているけれど、地味で目立たない会社」と言えます。地味な会社に投資しても、派手な値上がりは期待できません。しかし、社会に必要で、かつ足りないものを売っている以上、その会社の業績は着実に伸びていくはずです。業績が伸びるほど、配当収入が増え、ゆっくりではありますが株価も上がると期待できます。
正直、いま流行っている「AI」みたいな派手さはありませんから、投資先としてはいささか退屈かもしれません。ドカンと株価が上がることもないでしょう。
しかし、積立投資をすることを考えると、株価がドカンと上がってしまうと、高値で株を買わなくてはなりません。
「いますぐ売ろう」と思っているヒトからすれば高い株価は魅力的ですが、「これから買おう」と思っているヒトからすれば、高い株価は敵です。
積立投資では地道にゆっくり株を買い増していくことになるでしょうから、なるべく「将来性があるけれど、地味」な会社に注目するのが王道でしょう。