住友林業で使われている約50種類の床材の人気樹種ランキングを発表
住友林業は、木の専門会社として多くの樹種を扱っています。床材も約50種類を用意していますが、時代によって人気の樹種は入れ替わってきます。今回は、営業推進部の中野邦彦(ナカノクニヒコ)と技術商品開発部の池田透子(イケダトウコ)に、現在のトレンドになっている床材のランキングと、上位に選ばれた樹種の特徴や好まれる理由などを聞きました。
中野「このランキングは、2023年1~6月に住友林業で出荷した『無垢材』と『挽板』の床材の面積を集計した順位です。実際にお客様が床材を決定されたのは、おおむね出荷の半年前になります」
池田「床材は面積が大きく、心地よい家の木質空間をつくるために非常に重要なもの。色や木目など目で見える部分だけでなく、手や足でたくさん触れる場所ですから、質感のいい本物の銘木にこだわっている建材です。ぜひこのランキングを、床材選びのヒントにしていただければと思います」
4割の方が選んだのは、木材の優等生といわれる樹種
それでは、ランキングの1位から5位までを見ていきましょう。【第1位 オーク】 池田「全体の4割の方がオークを選ばれたということで、突出した人気ぶりに少し驚きました。木目が虎の縞のような虎斑(とらふ)と呼ばれる柄になっていて、くせがなくずっと昔から選ばれ続けている樹種です。
比較的堅い木なので、反りが少なくお手入れもしやすいですね。家具などにも多く使われていて、床材と家具をオークにしたトータルコーディネートもできます」
中野「オークは色の種類や表面加工の種類が多いので、特に選ばれやすいのかもしれません。ウイスキーの樽にも使われることで知られ、長い時を経ても変質が少なく木材の優等生と呼べる樹種です」
池田「“迷ったらオーク”と言われるほどオールマイティではあるのですが、ナチュラルなイメージだけでなく、家具の選び方によっては雰囲気ががらりと変わり、個性を演出できるという楽しさもあります」
「オーク」について詳しくみる >>
【第2位 ウォルナット】 中野「世界三大銘木として知られるウォルナットは、深みのあるダーク系で青みやグレー・シルバーの色合いも感じられる、重厚感のある樹種です。ウォルナットが好きな方は、最初からこれ!と指定をいただくほど高い人気があります」
池田「独特なカラーと風合いで、いわゆる“かっこいい空間”をつくることができます。木目は規則性がなくゆったりと大胆で、他の樹種にはないようなモダンな柄になっています。インテリアにもこだわって、高級感のあるラグジュアリーな空間にまとめたい方にぴったりです」
中野「当社がご提供するブラックウォルナットは、優れた材質と木肌の美しさで、ウォルナットの中でも銘木として知られています」
「ウォルナット」について詳しくみる >>
【第3位 チーク】 中野「3位に選ばれたチークは、ウォルナット同様に世界三大銘木と称され、世界的に価値が認められています。船の甲板などにも使われ、油分が多く艶があって水に強い樹種です。時が経つにつれてさらに光沢が出て、味わい深くなっていきます。また、イギリスの宮殿の建材としてもよく見かけるもので、非常に高級感があります」
池田「木目が非常にはっきりとしていて、赤みがあるあたたかな色合いです。床材の中では中間色なので、さまざまな樹種の家具に合わせやすいのが特徴。木材だけでなく、アイアンなどを素材に使ったハードなデザインの家具とも調和し、シックな空間も演出できます」
中野「チークは資源保護の観点から、伐採や輸出の管理が厳しくなっており、調達が難しい木材です。木材の調達力が高い住友林業ならではの樹種のひとつとなっています」
「チーク」について詳しくみる >>
【第4位 国産ナラ】 中野「4位となったナラは主に北海道産で、海外では『ジャパニーズオーク』とも呼ばれ、大変人気になっています。虎斑の柄のところどころに節が入る、自然な風合いが大きな特徴です。太い木が採れない樹種なので、節の部分がうまく入るように組み合わせて床材をデザインしています」
池田「カフェのようなカジュアルな雰囲気の空間にもマッチするため、最初は若い方から注目され、今では年代を問わず高い評価をいただいています。節や木の色にバラつきがあることで、ありのままで伸びやかなイメージがあります。最近流行のライト系のカラーで、グリーンの多い空間やアウトドア風のリビングなど、自然と暮らすインテリアによく合う床材です」
中野「節があるため、あえてダメージがあるように見えるナチュラルな加工も、国産ナラの味わいとなっています。また、家具メーカーが住友林業だけの特別なナラの家具を製作しているので、床材と揃えたコーディネートも素敵です」
「国産ナラ」(ジャパニーズオーク)について詳しくみる >>
【第5位 チェリー】 中野「チェリーは床材のロングセラー。カラーはクリアな赤みがあり、木目は柔らかくやさしいイメージです。長く飽きの来ない樹種で、落ち着いた雰囲気が楽しめます。オークだと少し床が明るいかな、と思われる方にも選んでいただきやすいです」
池田「経年変化でさらに深みが出るので、北欧のアンティーク家具などもよく合って、ゆったりと暮らしたい年代に好まれる印象です。逆に、明るいカラーの木を使った家具との組み合わせも面白く、個性的な空間演出ができますから、若い世代の方にもぜひ注目してほしい樹種です」
「チェリー」について詳しくみる >>
<関連リンク>
床材の樹種について詳しく知りたい
住友林業の「PRIME WOOD」