助けを求めるような上目遣いが何とも愛おしい ※画像はシヴァ犬こむぎっす 豆シヴァわらび(@Shibamugi28)さんの投稿より
そそくさと収納スペースに隠れる柴犬の様子にSNSのユーザーからは、「気の毒だけどかわいすぎる」「狭いところは落ち着くもんね……」「いいところを見つけましたね」「雷は怖いよね」などのコメントが寄せられています。
投稿者に詳しいお話を伺いつつ、なぜ犬は雷を怖がるのか、獣医師である筆者が解説します。
年齢が上がるごとに怯えるようになった
――動画内に写っているワンちゃんのお名前を教えてください。投稿者:「こむぎ」といいます。
――この動画を撮影したときのシチュエーションについて詳しくお聞かせください。
投稿者:雷が鳴り始めたときから急に落ち着かなくなり、暗く狭い場所を探してはあちこち移動していたりしました。
――こむぎくんはいつも雷を聞くと、動画のような行動をするのでしょうか。また、もう1匹のワンちゃんは雷の音を聞くとどんな反応をするのですか?
投稿者:昔はそうでもなかったのですが、年齢が上がるごとにこのように落ち着かなくなり震え始めました。でも、こんなに落ち着かないのは今回が初めてです。もう1匹のわらびは雷に対して動じません(笑)。
――今回の反響についてお聞かせください。
投稿者:今回の反響のおかげで、ワンちゃんのいるご家庭の皆さんからたくさんのコメントをいただき、うちの子と同じような経験を聞けて良かったです。
犬が雷を怖がる理由
実は取材したこむぎくんのように、雷を怖がる犬は多いんです。特に最近は室内飼育が増えているので、犬の挙動に注意される飼い主さんが多いと思います。今回の投稿と、読者さんの反応も、そのあたりから来ている共感でしょう。さて、いろいろな飼い主さんのお話を伺うと、雷に全く動じない犬は極めて少ないと思います。ほとんどの犬が、「怖がる・逃げる・隠れようとする」という反応を示します。これは動物として全く当たり前のことで、ヒトの何万倍もの聴覚・嗅覚を持つ犬は、雷を非常に大きな災害として捉えています。
落雷で火事が起こったり、雷に打たれたりして死ぬ危険もあるのですから、当然のことです。山火事や水害で野生動物が逃げ出すのと、全く同じ反応をしているのです。不安になるのも当然の事です。
飼い主さんは雷が落ち着くまで、そっとしておくのがいいと思います。もしそばに寄ってきて保護を求めたら、優しく声をかけてあげましょう。
ヒトだって、安全な家の中にいるから雷が怖くないのです。携帯でアラートが鳴っても避難などを考えない人が増えてきました。むしろ災害に敏感な犬たちに学ぶことの方が多いのでは?
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