亀山早苗の恋愛コラム

「女らしさ」の押しつけを嫌がる妻が「男らしさ」を強要する…42歳“メンタル弱め”夫の逆ギレ(2ページ目)

性別に関する発言をすると激怒する妻。その割に、夫には荷物を全部持たせたり、男らしくあることを強要する。男だって、優しくされたいし、妻から励まされたい。しかし、この先もこの価値観が交わる機会が来るとは全く思えない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「家族を守る」のが男の役割?

それでいて息子に甘いのが妻だと、タカオさんは不満顔だ。

「母親は息子に甘くなりがちですが、うちもそう。息子がいたずらしても、『少しぐらいやんちゃなほうが将来が楽しみ』なんて言うわけです。娘が同じことをしたら怒るくせにね。いつだったか大きな地震があったときも、地震にはめっぽう弱い僕は犬を抱きしめたまま、ぶるぶる震えていたんです。そうしたら妻が『あなたには家族を守ろうという気概がない、ダメじゃん』と見放したような言い方をするので、そういう言い方はないだろとケンカになったんですよ。いつも男女で差別するなと言っているきみが言うのはおかしいと」

すると妻は「男としてなんて言ってない。父として夫としてと言った」と言い張る。さすがにそれは詭弁だろとタカオさんもヒートアップした。

「体力の差は明らかにあるから、旅行のときなども僕は家族の荷物が詰まった大小ふたつのスーツケースを持って公共交通機関に乗るわけです。本当は、小さいほうのスーツケースは妻が引いてくれてもいいんじゃないかとも思う。でも妻は『荷物はパパね』と最初から決めている。これは男らしさを強要しているんじゃないのかと」

次から次へと愚痴を吐き出したタカオさんだが、「大人だからって、人から優しくされたくないわけじゃないですよね」とため息交じりにつぶやいた。

「本音を言うと、妻から愛されたいんですよ、僕だって。妻は、もしかしたら夫に思いやりを示すことさえ拒否しているのかもしれない。『私はあなたのママじゃないから』といつも言っていますから。でも親である以前に他人の男女じゃないですか。お互いに優しくしたり甘え合ったりして何がいけないんだろうと僕は思うんです」

夫は妻に弱いところを見せてはいけない?

妻から愛されたい。ときには弱みを見せて甘えたい。お互いにそれができれば、夫婦として親としてもいい関係が築けるはずだと彼は言う。もともとは「他人」なのだから。だが、おそらく妻としては、子どものことで精一杯なのだ。夫は大人なのだから、自分の心は自分で慰め慈しんでほしいということなのだろう。

「妻は弱いところを見せません。だから僕にもそうしろということなんだろうけど、僕はずっとメンタル弱いんですよ。妻に慰められ激励されて初めてがんばれる。妻はそんな夫は嫌なんでしょうけど」

夫婦観の違いなのか個人差なのか。こういう価値観を改めてすりあわせるのは非常にむずかしいことなのかもしれない。
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