株価が下がってパニックになってしまう原因って? 動揺しないために見直したいこと3つ
先日、こんな質問をいただきました。「株式投資をはじめたのですが、株価が下がって損が出るとすぐに動揺してしまいます。株価が下がっても動じないためには、どうすればよいでしょうか?」
今回は、この質問にお答えします。
株価が下がると動揺する「マズイ投資のやり方」とは?
「株価が下がって動揺する」こと自体は、悪いこととは限りません。なぜなら、動揺してしまう原因を知ることで、「マズイ投資のやり方」をしていたことに気づけるきっかけにもなるからです。
そもそもの話として、良識のある投資家なら「安くて良い株に、適度に分散投資する」ものです。
この良識を守るかぎり、株価が下がったらむしろ「安く買うチャンスだ」と感じるでしょう。滅多なことでもないかぎり動揺はしないはずです。
それでも動揺してしまうのは、おそらくこの「良識」を守れていないからです。具体的には、以下の3つに当てはまる場合は、運用を見直す必要があります。
◯株価が割高である
◯投資先の経営状況が悪い
◯リスクを集中させ過ぎる
1つ目の原因は「株価が割高である」ことです。
割安株投資の父と呼ばれるベンジャミン・グレアム氏は「株は香水ではなく食料品を買うときの感覚で買いなさい」と言いました。
つまり、日用品である食品はできるだけお買い得な食品を買うように、できるだけお得(割安)になっている株を選びましょう、ということです。
スーパーでお買い得品を選ぶ感覚で割安株を探す?
それでも、投資初心者は、「こうなったらいいな」という期待が先行して、割高な株を買うことがあります。
株価が右肩上がりにスルスルと上がっている株は「これまでと同じように、これからも株価が上がるんじゃないか?」といったように、たいした根拠もなく期待してしまうものです。
投資先が本当にすごい会社で、投資家の期待を上回るようなところであれば問題ありません。しかし多くの場合、大き過ぎる期待はいずれ裏切られ、ひどく株価が下がります。
割高な株は、買い手がつかなくなれば下がります。株価が下がって心配するぐらいなら、はじめから手を出さないほうがよいと言えるでしょう。
2つ目の原因は「経営状況が悪い」ことです。
具体的には、業績が悪くなっていたり、経営陣が不祥事を起こしていたりした場合です。
1つの経験則として、日本企業はいちど業績が悪くなると立て直すのに時間がかかります。ぼーっと眺めているうちに経営状況がさらに悪くなる場合もありますから、立て直せそうにもない投資先は「早めに見切りをつける」ことが大切です。
3つ目の原因は「リスクを集中させ過ぎる」ことです。
安くて良い株に投資していても、株価が暴落するリスクはあります。たとえば、2011年の東日本大震災のときには、多くの日本企業が損害を受けて株価が下がりました。
それでも、日本で「たびたび大きな地震が起きる」ことは誰もが知っている事実です。良識ある投資家ならば「同じ地方に設備を持つ企業には集中投資しない」など、適度にリスクを分散することも先回りして考えられたはずです。
すでに株を持っている方は「どんなことが起きると、自分は大きく損をするだろうか?」「事前に、リスクを分散させるためにできることはないだろうか?」と、事件が起きる前から対策しておくことが大切です。
まとめ
要点をまとめると、株価が下がって動揺しているということは、◯株価が割高である
◯投資先の経営状況が悪い
◯リスクを集中させ過ぎる
という3点のいずれかに陥っている可能性があります。
本来、良いところに投資をしているのであれば、株価が下がることは「チャンス」であってリスクではありません。
株価が下がって動揺してしまう方は、本記事をチェックリスト代わりにして、運用方針の改善にお役立てください。
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