「見た事もないコインでお釣りがきた‥なんだコレ‥‥。。」
狩野さんは、「駐車場でお金を払ったら、見た事もないコインでお釣りがきた‥なんだコレ‥‥。。」(原文ママ)というコメントとともに2枚の写真を投稿。500円玉のように見えますが、普通の500円玉とは様子が異なります。投稿から6時間で「いいね」は7万件を超え、「なんかものすごい価値がありそうw」「500円以上の価値はありそうですね」「タイムスリップした?」などファンからも多数のコメントが集まっています。
(画像:狩野英孝さん公式X(旧Twitter)より)
なかなかおつりで出てくることはないと思われますが、このコイン、一体どんなものなのでしょうか?
投稿された写真を確認すると、「日本国・500円・平成21年・御在位二十年」という表記が見られます。このコインは、平成21年11月12日に発行された「天皇陛下御在位20年記念500円ニッケル黄銅貨」になります。つまり、記念コインの1種です。
デザインは、表面が菊花、裏面が菊花紋章であり、直径が26.5ミリ、量目は7グラムです。通常貨とプルーフ(収集用として特殊な技術を用いて製造し、表面に光沢を持たせ、模様を鮮明に浮き出させた貨幣のこと)のものが存在しますが、通常貨は995万枚の発行、プルーフは5万枚の発行と、発行枚数は多い部類に入ります。
記念コインをおつりでもらうことはよく起こる? もらったらどうする?
記念コインをおつりで渡されることはそう多くないことでしょう。とはいえ、筆者もおつりで記念コインを受け取ったこともありますし、逆に買い物時に記念コインを利用したこともあります。コインに詳しくない方がレジの担当の場合、中には怪しむケースもあります。とはいえ、記念コインでも500円は500円ですから利用は可能です。偽物ではありません。中には昔集めていた記念コインを支払いに使う方もいるようです。発行枚数が多いものや、汚れなどがあり大きな価値はつかないと判断できるものに関しては、結局は額面通りにしかならないケースも多いため、買い物に利用する人もいると考えられます。
とはいえ、我が国最初の記念コインである「1964年東京オリンピック1000円銀貨」のように銀の価値が高いなど、額面を上回る価値のものも存在します。特に金貨については金価格高騰の今、額面以上の価値のものばかりとなっていますので、買い物に利用するのはもったいないでしょう。
狩野さんが受け取ったコインは「500円」の価値でしかない
狩野さんが受け取ったおつりの500円記念コインは、未使用とは言い難いですし、通常貨と思われるため、価値は500円と同じといっていいでしょう。もちろん、ほしい人であれば多少のプレミアム(数十円~数百円程度)はつけるかもしれません。X(旧Twitter)で話題となり、狩野さんが持っているという付加価値はつくかもしれませんが、同じ記念コインの場合、プルーフでもなければ通常は大きなプレミアムがつくとは考えにくいです。そのため、狩野さんが受け取ったおつりはそのまま「500円」であり、狩野さんは次回のお会計時にもこのコインを「500円」として使用することができます。
なお、同じ500円の記念コインの中でも高い価値があるものとしては「中部国際空港開港記念500円」があります。この500円は純銀であり15.6グラム使われています。そのため、単純に銀の価値で考えたとしても1800円程度の価値はありますので、500円として利用しない方がいいでしょう。
おつりで記念コインを受け取ることはまれだとは思いますが、もし受け取った場合には、価値のあるコインでないか、確認はぜひしてくださいね。
>次ページ:筆者所有の「1964年東京オリンピック1000円銀貨」を見る