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2023年夏のボーナスはいくら?
2023年夏ボーナスは前年比2.60%増、全業種平均支給額89万4285円で過去最高
日本経済新聞社がまとめた2023年の夏のボーナス調査(6月30日時点、最終集計)の結果が7月18日に発表されました。上場企業と日本経済新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業を対象とし406社の回答から、大企業の2023年夏のボーナス事情をみてみましょう。
2023年夏のボーナス回答。全体の支給額平均は89万4285円で2022年夏比2.6%増。調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で回答635社のうち集計可能な406社のみで算出。(出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2023年6月30日現在)
「製造業」前年比0.82%増、平均支給額91万円「非製造業」前年比9.96%増、平均支給額81万円
製造業は前年比0.82%増とあまり伸びませんでした。というのも、2022年夏の前年夏比11.99%増と大幅にアップしていたため、今年は微増という結果です。とはいっても、平均支給額は91万7084円と全業種平均より上回っています。一方、非製造業は前年夏比9.96%増と大きく伸ばしました。この増加率は過去最高とのこと。ただ、コロナ禍の影響で低迷していた非製造業のボーナス事情が、2023年夏に戻ったことによるものだと考えられます。
業種別ボーナス支給額トップ3は「不動産・住宅」「情報・ソフト」「通信」すべて非製造業
業種別のボーナス支給額をみると、支給額が一番高額なのが不動産・住宅で172万5720円でした。前年夏比8.93%と大きく伸ばしています。平均年齢も37.5歳と他業種よりは若い傾向ですが、高額なボーナスとなっています。2位は情報・ソフトで141万1753円。前年比はなんと、12.24%増です。3位は通信で140万657円、こちらは前年比10.93%減です。このトップ3はいずれも、非製造業です。非製造業が前年比9.96%増と大幅にアップしたのは、これらの業種が高支給だったからでしょう。
一方、製造業は前年比マイナスの業種が多くあります。繊維は9.41%減の71万1599円。医薬品も7.27%減の99万246円。いずれも大きく減っていますが、原材料費の高騰などが原因で業績悪化となったところが多いようです。
業種別の増加率トップは「鉄道・バス」の26.81%増
増加率のトップは鉄道・バスで26.81%増の81万2932円でした。コロナ禍で落ち込んでいた売り上げが戻ってきたことにより、大幅アップとなっています。特に、コロナ禍での売り上げ減などで低迷していた非製造業の中でも、この鉄道・バスの伸びは、コロナ前に戻った感があります。製造業の中でも前年より伸びているのが、その他輸送機器が13.40%増、精密機械が10.01%増と大きく増えています。精密機械の輸出が増え、円安も影響して業績がよかった会社が多かったようです。
企業別ボーナス支給額トップは精密加工装置を製造「ディスコ」約377万円!
企業別でのボーナス支給額をみてみると、トップはディスコで377万3654円、前年増加率3.04%。精密加工装置の製造を行っており、シェアをひろげている会社です。また、独自の個人別採算制度を採用しており、それに連動してボーナスも決まる制度になっています。また、2位のスター精密は自動旋盤や小型プリンターを作る会社で、欧米向けの輸出が好調で2022年12月期に過去最高の利益を出しました。3位の東京エレクトロンデバイスは、半導体関連の企業。いずれも、精密機械、半導体関連がトップ3となりました。トップ20の中には、MARUWAや立花エレテックなどの半導体関連企業が入っています。
大手企業の積水ハウスやソフトバンクなども入っています。中小企業でも業績が良い会社が多良い業績を残して高額なボーナスを支給しているのがわかります。
2023年の夏ボーナスは、コロナ禍の影響が多くあった非製造業が増加に転じ、全体を押し上げた形になりました。ただ、製造業は、原料高等によって業績を落とした会社も多く、伸びも鈍化しました。インバウンドや国内消費のさらなる上昇が続けば、非製造業は今後もさらに伸びることでしょう。2024年の夏ボーナスランキングが楽しみです。
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