ようやくわかった夫の「秘密」
現在、長女は10歳、長男は9歳となった。普段は学童に行っているが、夏休みは子どもたちは義実家にいることも多い。「夏の家族旅行は、当然、義父母も一緒。義母は相変わらず私には冷たいのですが、孫は本当にかわいいみたいなので、もうこういう関係でいくしかないと思っていたんです」
ところがある日、義実家に行くと、下の子のママ友であるシュウコさんがいた。「あら、見つかっちゃったわね」と義母はうれしそうに言った。
「シュウコさんとは下の子を通じて知り合ったんですが、義母が言うには『彼女は息子の幼なじみなのよ。だから私は昔から知ってるの』と。義母もシュウコさんも今までそんなこと一言も言わなかったのに。そして義母は『世が世なら、あなたが息子と結婚してくれるはずだったのにねえ』と」
シュウコさんは「昔の話だから」と遮ったが、リツコさんとしては心穏やかではない。帰宅して夫にその話をすると、「そういえば、昔、おふくろが勝手にそう決めていたことがあったんだよ」と迷惑そうに言った。
新居の完成が“やけに”早かった理由は……
「だけど、その後の義母とシュウコさんの話を総合すると、私と結婚する間際までシュウコさんとの結婚話は消えてなかったみたい。証拠はないけど、義母は『息子とシュウコさんはつきあっていた』と明言しています。私が妊娠したから夫は私と結婚することになっただけという言い方をされました。でもそう考えると、家があんなに早く建ったのも、納得がいくんですよね」何度も夫に尋ねた。過去のことはもういい。今、シュウコさんをどう思っているのかと。夫はしまいに怒りだした。
「夫との関係は今、可もなく不可もなくという感じ。子どもたちは夫が好きだし、父親としては悪くはない。でも私が夫と心を通わせているかというと疑問です。義母は相変わらずシュウコさんと仲良くしているみたい。本当は私には知られたくなかったのか、このあたりであえて知らせておこうと思ったのか。それはわかりません」
そして最近、シュウコさんが離婚したと本人から聞いた。もともとモラハラがひどい夫で、「離婚したというよりは、ようやく家から追い出せたという感じ」とシュウコさんは笑っていたという。
彼女は、それまで通り、子どもふたりと自身の実家で暮らしている。
「夫とのトラブルがなくなったからか、シュウコさん、なんだかきれいになって生き生きしているんですよ。義母が夫との関係をけしかけたりするんじゃないかと私は疑心暗鬼になっています。シュウコさんの自宅と、義実家と私の自宅はすべて徒歩圏内。近いところで、いろいろな欲望が渦巻いているような気がして」
私が勝手に想像しているだけだからとリツコさんは笑顔を見せたが、夫の元カノと義母が知り合いで、しかも仲がよいというだけでもかなり怖い話ではないだろうか。