マウントを取る、嫌味を言うなど、配慮に欠ける発言をする夫たち
体調が悪いことでさえマウントをとる夫
とにかく妻より具合が悪いことをアピールしたい夫がいる。「先日、歯痛がひどくなって歯医者に行ったんです。治療してもらったものの腫れて、ほとんど食べられない。その日は夫が夕食に間に合って家族で食卓を囲んだものの、私はヨーグルトだけ。なのに夫は私の腫れた顔を見て笑ったんですよ」
怒りに満ちた表情でそう言うのは、トシエさん(38歳)だ。3歳年上の夫との間に7歳と4歳の子がいる。歯痛がひどくてもパートを休めず、子どもたちと夫の夕食をちゃんと作ったあげく、夫に笑われたことで彼女は当然、気分を害した。
「怒る気力もないし、めんどうだからなにも言わずにいたんです。そうしたら夫が『でもオレのほうが歯がヤバいと思うんだ』と言い出した。『もうずっと前から痛んでるんだけど放置している歯がある。そこが疼くんだ。ときどき頭痛がしてくるほど』って。まるで私の痛みはたいしたことがないみたいに、自分のほうがひどいアピールを繰り返した」
「オレのほうがひどい」と言いたい理由は何だ?
トシエさんの中で何かがキレた。こんなに顔が腫れて食べることさえできない妻を目の前にして、自分のほうがひどいなんてよく言える、思いやりのかけらもないとトシエさんは厳しい口調で言った。「上の子が『ママ、痛い? かわいそう』とつぶやいたんです。すると夫は気まずそうな顔をして黙り込んだ。そして『そもそもひどくなる前に医者に行けばいいんだよ』って。『あなたもさっさと行って』と言い返しました」
トシエさんに限らず、調子が悪いと言うと「オレのほうがひどい」と言い出す夫のなんと多いこと。そして彼らは自分がいかに調子が悪いかと延々と訴え続けるのだ。今、それを言うことに何の意味があるのかと妻たちは思っている。
「いつか夫が本当にどこか痛みを覚えたり病気になったりしたときに、私も『私のほうがずっと調子が悪いよ』と言ってみたいですね。そうしたら夫は激怒するだけだと思う。弱っている人間に、どうしてあんなふうに言えるのかが不思議です」
常に自分のほうが大変、自分のほうが調子が悪い。そうやって妻から労られるのが当たり前だと思っているのだろうか。自分が妻を労る気持ちはもっていないのだろうか。トシエさんは夫のあまりに不快な言動に怒りを隠せないでいる。
>妻の仕事にも敬意を払わず、嫌味ばかりを言う夫