「恋する気持ちは必要」だと再認識
「バレたら妻から非難されるだろうけど、僕に言わせれば妻がもっと性に積極的だったら婚外恋愛はしなかったかもしれない。性を受け入れてもらえないのがどれほど寂しくてつらいことか、興味のない妻には理解してもらえないんですよね。それどころか『セックスにばかり固執する変な人』とまで思われてしまう。これはもう、単にセックスの問題ではなくて、人生における価値観の違いだとさえ感じましたから」性への価値観の違いは、確かに人生観の違いにまで発展しがちだ。
婚外恋愛は“いいこと”ではないが……
タイゾウさんは恋をすることで生きる喜びが生まれてきたと言う。「子どもの成長はうれしいものですが、うちの場合は妻と子どもが一体化していて、僕には入り込めない何かがあった。家庭は妻のもので、僕の居場所がないと思ったこともあります。それはうちがレスだからだったかもしれない。でも恋をしたことで、少し見方が変わった。もっと息子を理解したいと思い、僕から誘い出してふたりきりで旅をしたりサイクリングをしたり。妻とも以前より会話が増えました。妻に性を求めなくなったので、彼女も気が楽になったんじゃないでしょうか」
婚外恋愛はいいことではないが、自分を保つためにはしかたがない側面もあると彼は主張した。積極的に恋を探したわけではない。たまたま機会があっただけだとも。
「恋をしなかったら、僕自身が壊れていたかもしれません。性欲を封じ込まれると、自分が自分でなくなってしまう可能性もあると思うんです」
自分を正当化しているわけではないけれどと、彼はつぶやいた。自らを抑え込めばいいというわけではない。こういうケースでは「密かに関係を続けていく」しかない場合もあるのかもしれない。
※「婚外恋愛に関する実態調査 第1報」(2023年7月、レゾンデートル株式会社)