自分で料理をしてくれるのは、とてもありがたいことだけれど
共働きだから協力しあって
「うちはフルタイムの共働き。お互いに協力しあってやっていこうと話し合ってはいるんですが、平日の夫がねえ」困惑したようにそう言うのはサヤさん(40歳)だ。同い年の夫との間に、10歳と7歳の子がいる。近所に住む夫の妹一家にときおり助けてもらいつつも、夫婦で力を合わせて毎日、忙しいながらも充実した日々を送っている。
「私は残業はせず、仕事を持ち帰ることもあります。どうせ残業代はろくにつかないから、だったら家でやったほうがいいかな、と。コロナ禍以降、そういうことができるようになったのはありがたいですんですが……」
サヤさんが帰宅するのは夕方5時半ごろ。上の子を学童に、下の子を保育園に迎えにいく。日々の食事の買い物はまとめてしてあるので、そのまま家に帰って夕食の準備にかかる。作り置きの惣菜などをうまく使ってなるべく6時半から7時には夕食をとれるようにする。
「ただ、そこで夫が帰宅してしまうことがあるんです。夫は『ちょっとキッチン使うよ』と、自分の酒のつまみを作り始める。買ってきたものもあるのだから、それで先に飲んでいてくれればいいのに、さてハンバーグを焼こうというときに限って帰宅してキッチンを使う」
子どもの夕食が遅くなる。寝るのが遅くなると翌日に差し支えるので、それはしたくない。サヤさんは夫に何度もそう伝えてきた。夫は「そうだよね」と言いながら、「ちょっとだけだから」とキッチンを占拠する。
「つまみを何種類もずらりと並べて飲むのが好きなんですよ。コロナ禍でそういうことを覚えて、最近はつまみの種類が増えてきちゃって。子どもたちの夕飯が終わってから、本格的に飲めばいいのに。狭いキッチンで、私はフライパンをもってうろうろ、夫は小鍋を抱えてうろうろ、みたいなことが多々あって、ふたりともイラッとくるんですよね」
どう考えても、子どもの夕飯に優先順位はありそうだ。
>結局自分が食べたいものをつくるだけ