熱烈プロポーズの末の結婚だったので、大事にしてくれると思ったのに……
大事にしてくれると思ったのに
「うちは夫が9歳年上なんです。しかも彼からの猛烈なアプローチに私が根負けしたような形でつきあいが始まった。私は仕事をメインに人生を考えていたのに、『きみと僕との子どもがほしい』『精一杯、家事も育児もやる』と言ったから子どもも持った。それなのに今となっては……」ユキコさん(42歳)の愚痴は止まらない。34歳で結婚したとき、夫は43歳。「きみに巡り会うために今まで独身だったのだと思う」とまで言われ、「大事にするから」と懇願されての結婚だった。
「最初のうちはね、共働きだったし、夫のほうが早く家を出るのでささっと朝食を作ってくれたり、ときには夕食の下ごしらえまでしてくれていました。『きみを大事に思っている、ユキコがいないと僕は生きていけない』なんていう歯の浮くようなセリフも毎日のように言ってくれていた。この人となら一生、心地よく過ごしていけるなんて思っていたんです」
2年後に出産したが、その長女に先天性の病気が見つかった。入退院を繰り返す中で、ユキコさんも心配のあまり倒れたことがある。仕事より「小さな命」が大事だったから、仕事をやめて娘の世話に明け暮れた。毎年のように手術をし、ようやく元気になったのは4歳の誕生日を迎えるころだった。
「その間も自宅でできる仕事はいくつかしました。収入は多くなかったけど、少しでも自分が稼いでいる感覚を忘れたくなかったんです」
だが、ユキコさんが退職した時点で、夫はほとんど家事をしなくなっていた。娘の世話には人一倍の時間と手間がかかるのに、夫はねぎらいの言葉はかけてくれるものの、積極的に家事や育児はやらなくなった。
「おそらく妻は家にいるのだから、任せていいんだと思い込んだんでしょうね。娘のことは心配していたし、病院から連絡があると夫は何があっても駆けつけてくれたけど、家の中のことからは急速に手を引いたように見えました」
夫に聞いたこともある。どうして家の中のことをしなくなったのか、と。夫は「きみがやったほうが効率がいいし、僕はきみの足手まといになりたくないから」とわけのわからない答えが返ってきた。
>熱を出してみてわかった夫の本性