Q:74歳の年金生活者です。現在タイに住み、現地の女性と私の年金で生活しております。加給年金は受けられますか?
「74歳の年金生活者です(1948年11月生まれ、男性)。加給年金についてお聞きします。前妻は13年前に亡くなり、現在タイに住んでおります。約10年前から現地の女性(51歳、無職)と私の年金で生活しております。正式な婚姻はしていないのですが、このような場合、加給年金は受けられるのでしょうか?」(kintoremanさん)内縁の妻でも加給年金はもらえる?
A:相談者が64歳時に生計を維持していた配偶者は、内縁であっても加給年金の対象者ですが、書類の提出が必要であるため、加給年金を受給する難易度は高いでしょう
配偶者加給年金は、配偶者が65歳になるまでの期間、老齢厚生年金に上乗せされる家族手当のような年金のことです。
配偶者加給年金をもらうためには、老齢厚生年金をもらう人が65歳到達時(または定額部分の受給開始年齢に到達した時点)に厚生年金に20年以上加入していること、一定の条件を満たす配偶者の生計を維持している等が必要です。そのほかに以下のような条件を満たす必要があります。
・配偶者が65歳未満であること
・配偶者の年収が850万円未満であること
・配偶者が被保険者期間20年以上の厚生・共済年金期間に基づく特別支給の老齢厚生年金、老齢厚生年金を受け取る権利がない、または障害厚生年金を受けていない
相談者「Kintoreman」さんの場合は、64歳(定額部分の受給開始)時に生計を維持していた配偶者が加給年金の対象者です。妻が外国人で内縁の状態であっても、要件を満たすのであれば、配偶者加給年金の対象となります。
ただし、64歳時点で内縁の妻であり、生計を同じくしていたことを「Kintoreman」さんまたは代理人が、日本の年金事務所にきて証明する必要があります。さらに本人または代理人が来訪するときには、以下のものを年金事務所に提出する必要があります。
・「Kintoreman」さん64歳時の住民票に相当するもの(タイの住所で、内縁の妻と世帯が同じであることを確認できるもの)
・戸籍謄本(「Kintoreman」さんの日本での戸籍謄本と現地女性のタイでの戸籍謄本に相当し、結婚しているか否かがわかる証明書)
・「Kintoreman」さんが64歳時の内縁の妻の所得を示すタイでの所得証明に相当する書類(年収850万円未満であることを示すもの)、入手できなければ所得が要件にあてはまることがわかる申立書
・現地女性と内縁であるということを3親等の親族以外の人(友人など)に証明してもらう第三者証明(年金事務所所定の書式)
*タイ語で記載がある場合は、それぞれ訳文も必要です。
書類が一つでも欠ける場合は、加給年金の申請ができません。さらに日本年金機構の審査もあります。詳しくは年金事務所などに確認することをおすすめしますが、加給年金を受給する難易度は高いかもしれません。加給年金受給にも5年の時効がありますので、その点もあわせて確認してみてください。
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