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2023年夏の公務員のボーナス平均はいくら?
2023年夏の公務員のボーナス平均支給額、ボーナス事情はどのようになっているのでしょうか?公務員のボーナス事情とは?(写真はイメージです)
2022年夏のボーナスは前年比11.5%減と大幅の減少でしたが、2023年はどうなるのでしょうか?
2023年夏・国家公務員のボーナスは63万7400円、前年比9%増と大幅な増加
まずは国家公務員の前回(2022年冬)のボーナスからみてみましょう。内閣人事局の発表によると、国家公務員(管理職および非常勤を除く一般行政職)の2022年冬のボーナス(令和4年12月期の期末・勤勉手当)の平均は約65万2100円。前年同期より0.1%増加となりました。そして2023年夏の国家公務員のボーナス(期末・勤勉手当)の平均支給額は63万7400円、前年比9%増と大幅な増加が予想されます(※1)。
2021年冬ボーナスの支給時に、給与法の改正が間に合わず、本来2021年冬ボーナスで0.15カ月分減らすべきものが、2022年夏ボーナスで減額となり、2022年夏ボーナスは大きく減少していました。2023年夏ボーナスは、その減少分と、昨年の給与法改正で勤勉手当が0.04~0.05カ月分引き上げとなり、合計0.2カ月分の増加とみられます。
(※1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング「2023年夏のボーナス見通し」(2023年4月10日発表)より
国+地方公務員のボーナスは、2022年夏は10.6%減→2023年夏は11.3%増
では、地方公務員はどうでしょうか? 地方公務員も国家公務員の支給実態に合わせるところがほとんどです。公務員(国+地方)の1人当たりのボーナス平均支給額は73万1214円と、前年比11.3%増と予想されています。2022年夏が10.6%減でした。昨年の大幅な下げを戻した形となりました。(※2)。
(※2)みずほリサーチ&テクノロジーズ「2023年夏季ボーナス予測」(2023年4月11日発表)より
国家公務員の給与は、人事院勧告にもとづく法改正により決定
国家公務員の給与やボーナスは、民間の支給実績と比較して民間準拠で決められています。というのも、公務員はストライキなどを実行する「争議権」が認められていません。その代わりに公務員と民間の給与を比較し、公務員給与を民間の水準に合わせようということです。具体的には、国家公務員の4月分の給与と、民間企業(企業規模50人以上等の条件あり)の4月分の給与と前年8月からその年7月までに支給されたボーナスを比較し、民間の基準に合わせるよう、国家公務員給与の水準を改定、俸給制度・諸手当制度の見直しを行っています。比較対象となる給与は、同じ条件(仕事の種類、役職段階、学歴、年齢等)の給与とされています。
これらの調査結果から、国家公務員の給与を民間給与に合わせるように勧告をしているのが「人事院勧告」です。この人事院勧告の結果をもとに給与法が改正されています。このような流れで、国家公務員の給与やボーナスが決まります。
2022年の人事院勧告でボーナス引き上げ
2023年夏のボーナスにも影響する2022年8月に発表された人事院勧告の内容をみておきましょう。民間給与平均は40万5970円。それに対して国家公務員給与は40万5049円。921円国家公務員の方が安い結果となりました。この結果を受けて、・民間給与との較差(0.23%)を埋めるため、初任給及び若年層の俸給月額を引き上げ
・ボーナス(勤勉手当)を引き上げ(0.10カ月分)
ということになりました。
2023年夏の公務員のボーナス支給日は6月30日(金曜)です
気になる、国家公務員の2023年夏ボーナス支給日ですが、これも法律で決められています。ボーナス(期末手当、勤勉手当)の支給は、
・基準日(夏6月1日、冬12月1日)に在職する職員に対して
(基準日前1カ月以内に退職や死亡した職員にも支給される)
・支給日は、夏6月30日、冬12月10日
(支給日が土曜の場合は前日、日曜の場合は前々日の金曜)
と記されています。
2023年の6月30日は金曜ですので、当日である6月30日が支給日となります。地方公務員もこの法律にもとづいて支給されています。
公務員のボーナスは、いわば民間全業種の平均給与やボーナスを反映している存在です。2023年の夏ボーナスは、2022年の給与法改正で決定され、2021年8月から2022年7月の民間ボーナスを反映した形となっています。民間のボーナスは、コロナ禍で低迷していたボーナス事情が2021年冬あたりから好転しました。民間のボーナスは、この後も増加傾向となっているので、公務員のボーナスも今後数年は増えることになるでしょう。