だが、本人は自立しているつもりでも、客観的に見ると必ずしも自立しているとはいえず、「やっぱり“こどおじ”じゃん」と言われるケースもあるようだ。
「高齢の両親を世話している」と彼は言うけど、実際の両親は若々しくてギャップが……
初めて彼の実家へ行ってみたら
付き合って1年半になる3歳年上の彼と、数カ月前に別れたばかりだというナツミさん(32歳)。彼は実家住みで、彼女はひとり暮らしだから、彼はときどき彼女の家にやって来た。「ただ、前から気になっていたんですが、彼はめったに泊まっていかないんですよ。ひょっとしたら実は既婚者だったりするのかと怖くなって彼に聞いてみたら、『僕は両親が40代になってからのひとりっ子だから、親がけっこう年がいってるんだ。オヤジは持病もあるから、オレが夜いたほうがふたりとも安心するんだよね』と。親子が逆転したようなもので、自分が今は親の世話を焼いている状態だよって苦笑していたので、それはそれで納得していました」
ふたりの間では結婚の話も出ていた。昨年秋のこと。週末、ふたりで、あるイベントに行くことになったのだが、それが彼の実家のごく近くだった。
「ぜひうちに寄ってほしいと彼に数日前に言われたんです。あわてて手土産を買って。イベント後、彼の実家に行きました。70代のご両親と聞いていたけど、ふたりとも若々しくて生き生きとしている感じ。『おかあさんは夕飯を用意しているから食べていって、本当にごく普通の家庭料理だけど』って言ってくれて」
手伝うべきかとキッチンへ行こうとすると、彼が「オレの部屋を見てみる?」と言い出した。おかあさんも「できたら呼ぶわね」というので、ナツミさんは2階の彼の部屋へ。
「きれいに片づいた部屋でした。きれいにしてるねと言うと『まあね、親が高齢だと大変だよ』って。確かに家の中もきれいだったし、彼はけっこう大変なのかもしれないと同情しました」
母親に呼ばれて階下にいくと、テーブルには所狭しとごちそうが並べられていた。
「すっごくおしゃれに盛り付けられたサラダとか、旬のきのこのアヒージョとか。彼は高齢高齢というけど、ご両親は見た目もセンスもいわゆる高齢者という感じではない。なんだかギャップがありましたね」
そこへ出てきたのが秋刀魚だった。
「おかあさんが笑いながら、『せっかく洋風にしたのにごめんなさいね。でもこの秋刀魚、漁業をやっている親戚が送ってくれた旬のものだから、ナツミさんに食べさせたくて』って。丸々太ったおいしそうな秋刀魚でした」
>中学生のように面倒をみてもらっていた?