Q. 「禁忌薬」とは何ですか? どんな危険があるのでしょうか?
禁忌薬とは?
薬は病気を治すために大切なものですが、人によっては飲んではいけない「禁忌薬」というものがあります。どのような条件の人に当てはまり、どのような危険があるのでしょうか?
Q. 「薬の中には、人によって飲んではいけない『禁忌薬』があると聞きました。禁忌薬とは何ですか? 飲むとどんな危険があるのでしょうか?」
A. 持病やアレルギーの有無などによってリスクがある、服用してはいけない薬です
「禁忌」とは、「してはいけないこと」という意味です。薬の本来の目的は、病気の治療に役立つことですから、使用によって大きな被害が生じることは避けなければなりません。ある条件の人が服用した場合、身体に大きな被害が生じる可能性がある薬は、「禁忌薬」として定められています。たとえば緑内障の方にとって、腹痛や下痢を抑えるのに使われる「抗コリン薬」と分類される薬は禁忌薬です。抗コリン薬は眼内の圧力を上昇させるので、緑内障が悪化し、失明する危険性があるためです。アレルギー体質の方は、特定の薬に反応してショックに陥る危険性があります。過去の薬使用歴に応じて使用を避けるべき禁忌薬があります。さらに、お腹の赤ちゃんに奇形が生じる可能性があるような薬については、妊婦さんにとっては禁忌薬です。
また、単独で用いた場合には問題がなくても、2つ以上の薬を服用した場合に、それぞれの薬が効かなくなったり、逆に効きすぎて副作用が強く現れたりする飲み合わせがあります。これらは「併用禁忌薬」と言い、一緒に使うことが禁止されています。
これらの情報は、それぞれの薬の「添付文書」(医療関係者向けの説明書)に記載されているのですが、一般の方がすべて把握するのは現実的には不可能でしょう。病院を受診したり薬局で薬を受け取るときに、自分の持病やアレルギーなどの体質、妊娠の有無、現在すでに飲んでいる薬の内容などを包み隠さず伝え、自分にとっての禁忌薬を誤って飲まないように対応することが大切です。そのためにも、自分の薬歴や病歴を記した「お薬手帳」を活用することをお勧めします。「お薬手帳のメリット・活用法…自分で情報加筆も上手な使い方」もぜひあわせてご覧ください。