カラーコーディネート

A4サイズのマザーズバッグがちょうどいい? 大人なら知っておきたい、葬儀・法要に使えるもの

年齢を重ねると、喪主や喪主の妻といった立場で葬儀を行うこともあるでしょう。葬儀や法事の際は、その場にふさわしい装いをしなければなりません。訃報は突然訪れるもの。そのときになって慌てなくて済むよう、大人が知っておきたいことをご紹介します。

松本 英恵

執筆者:松本 英恵

カラーコーディネートガイド

葬儀や法事では、喪服を着用するのが一般的。葬儀に参列するための洋装の喪服を持っている人は多いでしょう。しかし、いずれ喪主や喪主の妻として葬儀や法事を行うことが考えられる人は、喪服を持っているだけでは不十分かもしれません。

喪主やその妻になると、葬儀の準備からその後の忌日法要・年忌法要まで、継続的に役目を果たしていくことになります。また葬儀の前後は、何かとすべきことがあり、慌ただしいものです。今回は、 大人なら知っておきたい葬儀・法要に使えるもの・ことをご紹介します。
 

普段から意識しておきたいこと

故人が身につけるものといえば、「死装束(しにしょうぞく)」といわれる白い着物がよく知られています。

しかし近年は、納棺の前に故人の身体を清める湯灌(ゆかん)や身支度を整えるサービスを葬儀会社の多くが提供するようになり、故人らしい服装や副葬品を選べるようになりました。

専門的な技術を持つ湯灌師によって、故人をまるで生前の姿のように、安らかな表情に整えることができるようになりましたが、故人の服装を決めるのは喪主の役割となります。故人にとっても参列者にとってもしっくりくる服装で見送れるよう、身近な人の好みはしっかりと把握しておきたいですね。
 

社葬は和装を、家族葬は脱ぎ履きしやすい靴を 

ハイヒールで優雅に振る舞うことができればよいのですが、ローヒールの方が実用的です

ハイヒールよりもローヒールの方が実用的です

社葬のような大規模な葬儀では、故人が仕事でお付き合いのあった方への対応が中心となります。細々とした準備は会社の方などにある程度任せられるので、和装の方がしっくりくるかもしれません。社葬で見送る方がいる場合は、和装を用意しておいてもいいでしょう。

一方、家族葬のような小規模な葬儀では、動きやすい洋装がいいでしょう。特に葬儀場では、控室は和室、通夜や葬儀会場は洋室となっていることが多く、喪主は靴を脱いだり履いたりを繰り返します。疲れにくく、脱ぎ履きしやすい靴を持っておくと安心です。
 

A4サイズの黒い布製バッグは、葬儀後の法事で使える

葬儀が終わると、自宅に中陰壇(後飾り壇)を設け、遺骨、遺影、白木の位牌を置き、花や灯明、香炉を飾ります。遺骨は骨壷に、骨壷は箱に入れられ、白い風呂敷に包まれた状態で安置されます。その後、四十九日法要と一緒に納骨法要を行うことが多いようです。

喪主は「納骨」という役割も担うことになります。このとき、自家用車やタクシーで負担なく移動できる距離にお墓があればいいのですが、遠方にある場合、どのように持っていくのかが課題となります。

遺骨はゆうパックで送り届けることもできますが、お寺によってはゆうパックを受け付けていないところもあります。飛行機や新幹線などで、遺骨を持っている人を見かけることがあるのは、こうした事情があるのかもしれません。

骨壷は、割れないように安全に届けることが何よりも大切です。移動経路や移動時間などを考慮してクッション性を備えたバッグを利用してもいいでしょう。
光沢のない黒い布製のバッグ。A4の書類が入るサイズで、肩に掛けたり、腕に通しやすいものが役立ちます

A4サイズの書類が入る、光沢のない黒い布製のバッグが役立ちます。肩にかけられるものが便利

また納骨法要の際には、遺骨と一緒に白木の位牌や花を携えるのが一般的です。お寺で喪服に着替える場合は、さらに荷物が増えます。遺骨は両手で抱え持つので、バッグを持つ場合は肩にかけたり、腕に通しやすいものがいいでしょう。

ここで活躍するのが、A4サイズがすっぽり入る、マザーズバッグのような大きな黒い布製のバッグ。納骨法要のみならず、お悔やみの手続きでも大活躍してくれます。葬儀や法事・法要で幅広く使えるよう、光沢感のない黒い布製のバッグを一つ持っておくと便利です。

市役所、年金事務所、相続などの手続きでは、死亡診断書、戸籍謄本、印鑑証明書など、A4サイズの必要書類を一つひとつ取り寄せ、書類がそろった段階で、手続きに出向くことになります。このような手続きは平服で出かけるので、普通のバッグでも構いませんが、日常生活では使わない書類なので、一つのバッグにまとめておくと整理分類に役立ちます。

今回は、喪主や喪主の妻を務めることになった場合に役に立つもの・ことをご紹介しました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。


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