Q. 「大麻は麻薬ではない」って本当ですか?
大麻は麻薬ではない?
大麻と聞くと、「麻薬」と思う人は少なくないと思います。「麻薬の大麻」「大麻の麻薬成分」と聞いても、違和感がないかもしれませんね。実際のところをわかりやすく解説します。
Q. 「ずっと『大麻=麻薬』だと思っていたのですが、麻薬は別のものだという話を聞きました。本当なのでしょうか?」
「麻薬及び向精神薬取締法」で規定された薬物が麻薬です。これまで大麻は別の法律で規制され、麻薬ではありませんでした。
みなさんは、何となく危ないイメージがある薬のことをすべて「麻薬」と呼んでいませんか。それは誤りです。「麻薬」は、依存性があり乱用すると健康を害するだけでなく社会的にも悪影響があるために法律で規制する必要があると判断される薬物の分類の一つであり、正式には、「麻薬及び向精神薬取締法」という法律で定められた麻薬のリストに掲げられている薬物のみを指します。法律に掲げられていなければ、麻薬には該当しません。
「大麻」は、大麻草及びその製品(ただし樹脂以外の成熟した茎や種子及びその製品を除く)のことで、これまではまったく別の法律である「大麻取締法」で規制されてきました。大麻草の葉や花を加工して作られる乾燥大麻だけでなく、そこから抽出・精製されたテトラヒドロカンナビノール(THC)などの薬物も「大麻」に該当します。つまり、大麻は、麻薬ではありませんから、「麻薬の大麻」とか「大麻の麻薬成分」という言い回しは、厳密には正しくありませんでした。
ただ最近、2023年12月6日に、現在の大麻取締法を改正する法案が国会(参議院本会議)で可決・成立し、2024年12月12日から実際に施行されました。これにより、大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」(昭和23年7月10日法律第124号)に変わり、「大麻」の定義が「大麻草(その種子及び成熟した茎を除く。)及びその製品(大麻草としての形状を有しないものを除く。)」と変わりました。さらに、これと連動して、「麻薬及び向精神薬取締法」も改正され、その中で「麻薬」の定義が「別表第一に掲げる物及び大麻」となりました。
ややこしいのですが、この法改正によって、「麻薬の大麻」と言っても間違いではなくなったことも申し添えておきます。