Q. 「メンタル不調時、白米やパンを食べてはいけない」って本当?
白米などの白い食べ物は、メンタル不調のときに食べないほうがいい?
白いご飯やパンなどのいわゆる「白い食べ物」は、メンタルの不調時には食べてはいけないという考えがあるようです。実際のところを、わかりやすく解説します。
Q. 「うつ病やうつ傾向など、メンタル不調のときに、白米や小麦粉などの白い食べ物を食べてはいけないと聞きました。これは本当ですか?」
A. 特定の食べ物を避けるのは無意味。大切なのはバランスのよい食生活
メンタルの不調時に、白米や小麦粉などの食品を避けた方がよいということはありませんし、特にそれらが原因で精神が不調になるということもありません。白米や小麦粉などの食品を避けた方がよいというのは、「炭水化物に偏ることで、他の栄養不足にならないように」との注意から一般に言われていることだと思われます。なお、巷で使われている「白い食べ物」という表現は、わかりやすさを求めて考え出された言い回しのようですが、正確性に欠けるので、使うべき言葉ではありません。うつ病やうつ傾向などのメンタル不調のときに、食事に配慮することは大切ですが、そもそもメンタルの不調は食事だけで解決できる問題ではありません。また、何を食べるべきとか、食べてはいけないとかいったことを気にしすぎると、それがストレスになってしまいます。ごはんが好きなのに、無理やりそれを制限することが、本当にその人のためになるのでしょうか? 筆者はそうは思いません。
食に関しては「栄養バランスがとれているか」を気遣うだけで十分です。必要以上に「何を食べたらいいか」にこだわる意味はほとんどありません。うつなどのメンタル不調の本当の原因は、ストレスや病気です。ストレスの元となっている家庭生活や社会生活のあり方を見直したり、ちゃんと受診して脳に異常がないかをチェックして適切な治療を受けたりするのがよいでしょう。また、周囲の理解を得て助けてもらう環境づくりも大切です。