食生活・栄養知識

Q. カビが生えたお餅は、カビの部分を削れば食べられますか?

【管理栄養士が解説】鏡開きをしてお餅のおさがりを食べようとしたら、お餅にカビが生えていてがっかりした経験がある人も多いのではないでしょうか。カビが生えても薄く削れば食べられると考える人もいますが、実は危険です。その理由をわかりやすく解説します。

平井 千里

平井 千里

管理栄養士 / 実践栄養 ガイド

小田原短期大学食物栄養学科 教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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Q. お餅にカビが生えてしまいました。カビの部分を削れば食べられますか?

カビが生えたおもち

カビが生えてしまったお餅。カビの部分を削って食べても大丈夫?


Q. 「お餅を食べようと思ったら、カビが生えていました。カビの部分を削ってみたところ、下の部分は白い状態で、特に問題なさそうです。表面を削って加熱すれば、食べても大丈夫ですか?」
 

A. 見えないカビの危険もあります。縁起物でも食べない方が無難です

搗きたての切りもち

お餅にカビを生えさせないためには、つきたてのうちに1回で食べきれる分ずつラップに包んで冷凍保存が◎です。


単刀直入に言って、カビが生えてしまったお餅は食べない方が無難です。

カビには様々な種類があり、すべてが人体に悪い影響を与えるものとは限りません。しかし、生えているカビが悪いものかどうかは、見ただけでは判断できません。また、カビが生えたということは、その食品を安全に食べられる期限が過ぎてしまったことを意味します。もはや安心して食べられる状態ではないと考えましょう。

鏡開きまで飾っていたお正月のお餅などは、特にありがたい縁起物でもあるので、カビが生えている部分を薄く削って食べたい気持ちもあるかもしれません。しかし、カビは表面ではなく中の方に菌糸を張って繁殖するため、見えているカビの部分だけを削ってもカビを食べてしまう可能性があります。また、カビは熱にも強く、煮る・焼くなどの調理した程度では、死滅しないものも多いです。毒を作るカビだった場合は、健康被害が起こってしまう可能性があります。

残念ですが、カビが生えてしまったお餅は諦めた方がよいでしょう。

毎年餅飾りにカビが生えてしまうような場合は、次からは衛生面を考えて、パックされた鏡餅や、鏡餅型のケースに入った個包装のお餅を購入するのもよいでしょう。雑煮やしるこには個包装のお餅を利用すると安心です。自宅でついたお餅はカビが生えないように、1回で食べきれる分ずつをラップなどで包んで冷凍保存すれば、1~2か月程度は保存が効きます。

■参考
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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