Q. 「30代ですがミスや物忘れが増えました。認知症の可能性はありますか?」
30代から認知症になることはある?
急にミスや物忘れが増えると、若くても「若年性認知症」などの病気ではないかと不安になってしまう方がいるようです。実際に、30代で認知症を心配しなくてはならないケースはあるのか、わかりやすく解説します。
Q. 「30代ですが、最近仕事でうっかりミスが増えました。何度かあった人の名前が思い出せなかったり、物忘れも多くなった気がします。若年性認知症などの病気もあるようですが、30代でも認知症になってしまうことはありますか?」
A. うっかりミスや度忘れと認知症の症状は、全く別の物です
遺伝性の病気や脳卒中の後遺症のために30代でも認知症を発症する方もいないわけではありません。しかし、不安に思われているような今回のケースは、認知症の前兆でも何でもありません。うっかりミスは、記憶力ではなく、注意力や集中力の問題です。忙しかったり悩み事があったりすると、誰にでも起こりますし、増えることもあります。人の名前が出てこないのは、単なる「度忘れ」で、年齢のせいでもありません。学生時代に、ちゃんと勉強して覚えたつもりの年号や歴史上の人物の名前が、テストのときに思い出せないのと同じです。誰かに言われて「そう、それそれ!」と思い当たることができるレベルであれば、実際には脳は忘れていなかったわけですから、心配ありません。
また、何かをしようとしたのにそれが何だったかわからなくなったというような物忘れは、ふとした考え事を含め、行動中に他のことに邪魔されたような場合に起こる、自然なものです。決して脳が衰えたために起こるものではありません。
30代で働いている方の場合、どちらかというと、仕事やプライベートの多忙さや悩み事などのストレスのために、脳に負担がかかっていることが考えられます。不調を感じたら、心が健康に保てるように、生活のあり方を見直していただくのがよいと思います。