Q. 「ビワの葉に健康効果がある」って本当ですか?
ビワの葉には健康効果があるのか
ビワの葉には、古くから健康効果があるという説がありますが、科学的エビデンスに基づく情報なのでしょうか? わかりやすく解説します。
Q. 「ビワの葉に健康効果があると聞きました。民間療法のようなものかなと思いますが、科学的に何か根拠はあるのでしょうか?」
A. 科学的エビデンスは不十分。情報を鵜呑みにしないようご注意を
ビワの葉は、古くから仏教医学や漢方医学で注目されており、日本に伝わってからも色々な形で利用されてきたようです。一方で、長年使用されてきた割には、薬効や安全性に関するエビデンスは不十分です。流布されている情報を鵜呑みにしないようにしましょう。ビワの葉に含まれる薬効成分として、抗炎症作用などが報告されている「ウルソール酸」が挙げられることがありますが、この化合物は、オシロイバナ、リンゴ、ベリー類、バジル、ローズマリーなどのハーブを含む多くの植物に広く存在しており、ビワの葉だけが特別に持つ成分ではありません。
また、ビワはその種と同じように、葉にも体内で分解されて毒物である青酸を発生する「アミグダリン」を少量ながら含んでいますので、摂取しすぎないように注意が必要です。自分でビワの葉を集めて煎じて飲んだりするのは止めましょう。
一般に鼻炎に用いられる「辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)」という漢方薬には9種類の生薬が含まれています。そのうちの一つがビワの葉である「枇杷葉(ビワヨウ)」ですが、どれくらい薬効に寄与しているのかの詳細は明らかにされていません。ビワの葉をお茶にした商品もたくさん売られているようですが、薬ではありません。薬のような効果は期待せず、使用実績が十分にあり安全性に問題がない製品を選んで、あくまでも嗜好飲料の一つとして楽しむのがいいでしょう。