お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

33歳契約社員、貯金130万円。将来暮らしていけるのか、漠然と不安になりました

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、契約社員として働く33歳の女性です。月収は低くないもののボーナスはなく、将来暮らしていけるのか不安になったとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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このまま今の会社で働いたほうがいいのか、正社員として転職したほうがいいのか?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、契約社員として働く33歳の女性です。月収は低くないもののボーナスはなく、将来暮らしていけるのか不安になったとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
時給は低くないのですが、ボーナスはなく年収は多くありません

今の仕事の時給は低くないのですが、ボーナスはなく年収は多くありません

■相談者
まーぼーどうふさん
女性/契約社員/33歳
東北/借家

■家族構成
1人暮らし

■相談内容
将来暮らしていけるのか漠然と不安になり、相談させていただきました。

現在1人暮らし。契約社員で働いております。契約社員のため、毎月の給料は時給制となりボーナスもありません。時給は高いため、毎月の給料は少なくはないと思います。ただボーナスがないため、年収は少ないです。

あわせて、毎年給料があがるわけではないので、このまま今の会社で働いたほうがいいのか、正社員として転職したほうがいいのか、定期預金を増やすべきなのか、どうすればいいか迷っております。

20歳ごろより定期預金はしておりましたが、趣味のコンサート鑑賞や毎年海外旅行に行っていたこともあり、なかなかお金が貯まりません。

結婚する予定もなく、気ままに生きてきましたが、友人が結婚したり家を買ったり、ということが増え、今のままでいいのだろうか。老後1人で生きていくためには、もっと真剣に生きなければいけないのではないか。と真剣に悩み始めましたが、なかなか行動に移すことができず、今に至っております。

漠然とした相談で申し訳ないのですが、ご教示いただけますと幸いです。

■家計収支データ
相談者「まーぼーどうふ」さんの家計収支データ

相談者「まーぼーどうふ」さんの家計収支データ

■家計収支データ補足
(1)貯蓄について
毎月7万円の貯蓄の内訳は以下。
・定期預金4万円
・つみたてNISA5000円
・自動貯金アプリで月平均3万円(毎日600円貯金、週1回3500円貯金するように設定しています)

(2)加入保険について
・生命保険(終身タイプ、80歳まで払込、死亡保障500万円)=毎月の保険料1670円
・医療保険(無解約返戻金型終身医療保険、入院一時金1万5000円、女性疾病入院給付金3000円)=毎月の保険料2780円
・ペット保険=毎月の保険料1710円

(3)奨学金について
毎月1万3662円。35歳まで

(4)趣味娯楽費の使い道
コンサートで30万円前後。1回大体6万円前後で、1年に4回ほど行っています。

海外旅行は、国によって変動が大きいですが、アジアに行くことが多いので、アジアなら15万円ぐらいほどかと思います。海外旅行は、直近は行ってないですが、今年ヨーロッパ旅行を予定しています。そこで恐らく25万円前後は使うと思います。

(5)仕事について
在宅勤務なので環境はいいです。仕事内容について、こだわりはないですが、営業や飲食は考えておりません。今と同じ業種であれば働きやすいかと考えています(カスタマーセンターのオペレーター)。

(6)住まいについて
今後、マンション購入などの希望はありません。

(7)ご家族について
両親は健在、妹が1人います。家族との関係は良好です。父は単身赴任中で、現在60歳になりましたが働いております。母は、パートで時短勤務しています。

■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 金銭的には、現状のままで生涯、問題なし
アドバイス2 正社員を目指すとしたら、収入アップにつながるように
アドバイス3 貯蓄が500万円になったら、iDeCoへの加入を検討

アドバイス1 金銭的には、現状のままで生涯、問題なし

漠然とした不安を感じるのは誰にでもあることです。しかしながら、人と比べる必要はありません。結婚したり、家を買ったりすることだけが、真剣に生きている証しではないでしょう。コンサートに行ったり、海外旅行をしたりと、自分の楽しみを実現するために一生懸命、働いておられると思います。人生相談にお答えすることはできませんが、今後の人生の支えとなるマネープランについて、考えてみましょう。

現在、毎月7万円の貯蓄ができています。年間で84万円です。家計支出に変動はありますが、あと5000円を毎月貯蓄に回して、年間90万円を目標にしてみてください。2年間で180万円。現在の金融資産130万円を加えて310万円。

2年後には奨学金の返済が終わります。そこからは1万円をプラスして年間102万円の貯蓄ができるようになります。60歳になるまでの25年間で2550万円。都合、60歳時点で2865万円となり、これが老後資金となります。

公的年金の受給が始まる65歳までの5年間は貯蓄からの取り崩しになります。収入が10万円ほど得られれば、65歳以降の支出が今と同じぐらいと仮定して不足分は7万円ほど。年間で約80万円です。そのほかの出費も考慮すると年間100万円が不足分となり、5年間で500万円を貯蓄から使うことになります。

65歳時点で2365万円。公的年金がおそらく月額10万円ほどになっていると思いますので、不足額はやはり年間100万円。2365万円の金融資産がゼロになるのは24年後、89歳のときです。

以上が、現状の家計収支がずっと続いた場合のマネープランになります。趣味のコンサートや海外旅行にどの程度使うかにもよりますが、年間で50万円使ったとしたら、20年で1000万円。老後資金からその分はなくなりますので、それをどう考えるかということになるでしょう。

アドバイス2 正社員を目指すとしたら、収入アップにつながるように

ご相談者は33歳と若く、転職して正社員での仕事に就ければ、将来の安定にもつながります。収入がアップする転職であることが前提となりますが、正社員になれば、ボーナスの支給もあるでしょうし将来の公的年金の受取額も増えます。

今すぐでなくとも、現預金がある程度貯まったら、正社員への転職を検討してみてください。

また、今回のマネープランの試算では60歳まで現状維持で過ごし、65歳まで月10万円程度の収入を得ることとしています。契約社員という雇用形態で60歳まで働くことができるのかという心配があります。やはり正社員を目指すことは大事だと考えます。
 

アドバイス3 貯蓄が500万円になったら、iDeCoへの加入を検討

現在、貯蓄の方法として、定期預金のほかに、つみたてNISAをされています。これはそのまま続けてください。さらに、現預金が500万円程度になったら、iDeCoへの加入を検討してもいいでしょう。所得税の節税にもなりますし、将来の公的年金の不足分をカバーすることもできます。なにより60歳まで引き出すことが原則できませんので、貯蓄を取り崩しがちな人に向いています。40歳から始めても20年運用できますので、利用価値は大きいと思います。

最後に、保険について。終身タイプの生命保険は毎月の保険料もわずかですから、負担感はないと思いますが、1人で生活していくのであれば、死亡保障は必要ありません。解約しても問題はないでしょう。加入中の医療保険のみで十分です。

どう生きるかについては、アドバイスできませんが、収入を増やし、現預金を増やすことで、この先の人生の選択肢を多く持つことができます。現状維持にとどまることなく、一歩前へ踏み出してほしいと願っています。

相談者「まーぼーどうふ」さんから寄せられた感想

このたびは、ご相談に乗っていただきありがとうございました。先生がおっしゃっている通り、現状を60歳まで維持するのは難しいと思うので、真剣に転職活動を始めようと思います。

また、結婚したり、家を買ったりすることだけが、真剣に生きている証しではないとおっしゃっていただき、今まで抱いていた不安が少し解消された気がします。今後、現状維持から脱却できるように勇気を出して進んでみようと思います。ありがとうございました。

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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子
 
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