実は、銀行で取引をする際、信用情報はとても重要な意味を持つものなのです。信用情報を傷つけない銀行との付き合い方を元銀行員の筆者が説明します。
信用情報は客観的な取引事実を登録した個人の情報のこと
指定信用情報機関である株式会社シーアイシー(CIC)によると、『信用情報とは、クレジットカードや割賦販売、各種ローン等の契約について、契約内容や支払い状況等の客観的な取引事実を登録した個人の情報のこと』と書かれています。簡単に言えば、個人がクレジットカードやローンなどを使ってどのような取引をしているのかの情報をまとめたものが、信用情報です。
信用情報機関は3つあり、各クレジットカード会社や銀行などが提供した情報を管理・提供しています。
信用情報機関と主な加盟金融機関
・全国銀行個人信用情報センター(KSC)……銀行等
・株式会社日本信用情報機構(JICC)……銀行、貸金業者、クレジットカード会社等
・株式会社シーアイシー(CIC)……銀行、貸金業者、クレジットカード会社等
銀行は信用情報をどのように使う?
では、銀行は信用情報をどのように使うのでしょうか。銀行は、信用情報の取引の中でも「お金の借り入れと返済がどのようになっているか」を重要視しています。
たとえば、同じ年収500万円のAさんとBさんが新たに借り入れを申し込んできたとします。信用情報を確認するとAさんにはすでに100万円の借金があり、Bさんには特に借金がなかったとしたら、家族構成や生活環境にもよりますが、どちらの方が返済能力があるのか、一目瞭然です。
また、借りたお金の返済が滞っていることが信用情報から読み取れる人が新たに融資を申し込んでも、銀行はその情報から返済してもらえない可能性が高いと判断して、融資を断ることがあります。
上記は一例に過ぎませんが、信用情報を確認することで、融資をしても大丈夫か?いくらまで融資できるのか?などを決めていきます。
もちろん、信用情報以外にも個人の属性や生活環境なども審査をしますが、信用情報に問題がある場合(一般的に信用情報にキズがあると言われる)には、融資が受けられないことになってしまいますし、すでに借りているお金の完済を促されることも考えられます。
信用情報を傷つけない銀行との付き合い方
返済が間に合わないとパニックになってしまうこともありますが、このようなときほど落ち着いてください。そして、現状はどのようになっているのか、今後の返済計画を立てて担当者に相談してみましょう。もちろん、こちらの思う通りにならないことは多いのですが、少なくとも誠意は伝わるハズです
もし、返済が遅れてしまいそう、返済できないというようなときには、返済期日を待たずに、早めに金融機関にどのようにしたらよいのか相談しましょう。
返済が間に合わないとパニックになってしまうこともありますが、このようなときほど落ち着いてください。もちろん、相談してもこちらの思う通りにならないことは多いのですが、少なくとも誠意は伝わるハズです。
そのときには、いくらなら返済できるか、今後の返済計画を立ててシミュレーションしていくとよいでしょう。その他、返済のためにどのように努力するのかもしっかり考えておいてください。
一番NGなのは、返済できないことを知っているのにそのまま放置することです。督促の連絡を受けたときに「忘れていました」と答える人もいるのですが、銀行の場合、入出金の状況をすぐに確認できるため、その場限りの嘘を言ったことはすぐにバレます。
信用情報を甘く見ていると、今後、不便な生活を強いられることになるだけでなく、生活そのものが崩れてしまう可能性があります。お金の借り入れなどがある場合は、くれぐれも慎重に対処することを肝に銘じてください。