まるで○○と、厚塗りを同僚に指摘され
化粧方法がわからなくなった、ナチュラルメイクができなくなったという笑い話のような話も多々ある。「先日、久々にバッチリメイクで会社に行ったら、同僚から『ちょっとヤバくない?』と指摘されてみんなで大笑いしちゃいました」
そう言うのはタカエさん(36歳)だ。仕事が終わってから、友人たちとの飲み会があったため、たまにはバッチリメイクでと思ったのだが、「気合いが入りすぎた」のだという。
「化粧しない日々が長すぎて、鏡を見たら、シミやしわが気になってしまって。ファンデーションをたたき込んだあとコンシーラーで丁寧にシミを消し、さらにパウダーで完璧に仕上げたつもりだったんですが、ただの厚塗りと化してました。同僚に『“ぬりかべ”じゃないんだから』と笑われて、鏡を見て自分も笑いました。チークも濃すぎたんですよね」
以前からメイクが大好きで、周りからもメイク上手と言われていただけに、勘が鈍ったとタカエさんは笑う。
「それほどメイクをしない日が多かったということですよね。メイクだけじゃなくてファッションにも疎くなってしまった。楽しくなかった3年間だったなと改めて思います。でも3年前に就職した私の姪は、もっとかわいそう。去年からぼちぼち出社していたけど、同期や部署での飲み会もないままで、いまだに人間関係が把握できないと嘆いています。彼女にも今度、メイクを教えてあげる約束をしているので、私も再度、腕を磨かなければ」
メイクが嫌いでもともとしなかったという人はいざ知らず、メイクが好きだった人ももう一度、改めて“勉強”し直さなければならない状態のようだ。
今後、また再燃するかもしれないコロナ禍だが、とりあえずはここで一段落と考えていいのだろうか。
「私自身は、人が密になる場所ではマスク着用を心がけるつもりです。でも換気がじゅうぶんなされている場所や屋外では、もう着けていません。友人は花粉症がひどいので、まだ当分つけると言っていますが、それぞれの事情に合わせればいいだけの話。また楽しくメイクについて友人たちと情報交換できるようになるといいなと思っています」
メイクをするようになって、「手順を忘れていたことにびっくり」「メイクは日常のささやかな気分転換だと改めて思った」という声も聞く。このまま終息してくれればと誰もが祈るような気持ちだろう。