「同情婚」は続かない
20代後半で「大恋愛」に落ちたものの、それが4年ほどで破局。泥沼にはまったように未練から脱することができず、苦悩の連続だったというコナツさん。そこからようやく脱したときに知り合った3歳年上の彼と電撃結婚したのが31歳のときだった。「30歳までに結婚して子どもがほしい。穏やかな結婚がしたいと願っていたんですが、30歳のときに彼と出会った。私はようやく恋愛の傷が癒えてきたところで、彼はまさに傷ついている真っ最中でした。信じていた彼女に婚約直前で裏切られたというんです。話を聞いているうちにひどく同情してしまい、私でよかったら結婚しようと言わざるをえなくなって。彼はとにかく寂しいって。私も寂しかった。だから一緒になろうと、妙に盛り上がってしまったんでしょうね(笑)」
ところが婚姻届を出して一段落すると、彼と会うのが苦痛になった。コナツさんはすでに痛手を脱していたのだが、彼と一緒にいると、まだ傷の癒えていない彼がやけに絡んでくるのだ。何か言うといじけたり拗ねたりするため、放置しておくと怒り出す。
「しばらく会わないでいたほうがいいねということになって、同居の目処もたちませんでした。そうこうしているうちにお互いに連絡も間遠になって。『そういえば私、結婚してたんだっけ』と思い出して離婚しようと連絡したら、わかった、と。でも離婚するとき、彼に言われました。『こんなボクと結婚してくれてありがとう。自信になった』と。私は別に彼に自信をもたせるために結婚したわけじゃないんだけど……」
2度目の結婚もまた、3カ月足らずと短かった。そんな彼女は3度目の結婚をするつもりはないという。また同じことの繰り返しになるのが目に見えている、と。
「そもそも結婚に対する考え方が一般的ではないんだとよくわかりました。結婚=一生一緒にいるという発想もないし、同居しなければいけないとも思ってない。だったらどうして結婚するんだと友人にも言われたけど、寂しかったり誰かとパートナーシップを築きたかったりはするんですよ。その結果としての選択肢のひとつが結婚なんだとは思うけど、その瞬間の決断だから、先のことはまったく考えていない。だからスピード婚になる。その経緯がわかったので、結婚という形をとる必要はないと今は思っています」
それでもまた、自分が孤独感にさいなまれたり、相手がそういう状態になっているのを見たら、結婚しようと言ってしまうかもしれないけど。彼女はそう言って苦笑した。