「保険なのに、教育費が準備できるの?」その理由がわからず、モヤっとすることがあるかもしれません。今回は、子どもが生まれた人で、保険のことがまったくわからないという方向けに、学資保険の基本的なお話をまとめます。
学資保険には子どもの教育資金を日常に潜む万が一から守る機能がついている
学資保険は、生命保険会社であればどこでも販売している、子どもの教育費を貯めるための保険です。子どもが一定の年齢に「お祝い金」や「満期金」が受け取れます。それなら、わざわざ学資保険に加入しなくても、貯金で積み立てて用意すればいいと思いがちです。なぜ、学資保険で教育費を準備するとよいのでしょうか。
学資保険には、「払込免除特約」がついています。この特約は、契約者である親が死亡したり、高度障害状態になったりと保険料の支払いが不能となったときに、月々の支払いが免除されるというものです。
親に万が一ということがあるのは、稀なことかもしれません。しかし、もしものことがあっても、確実に、契約通りのお祝い金や満期金が確保される点は、学資保険に加入するメリットといえそうです。
学資保険の保険料は月々いくら?
学資保険の保険料は、加入する時期、設定する満期金などで違いがあります。将来の子どもの教育資金とはいえ、長期間にわたる費用になるため、毎月、家計をやりくりする上で負担にならない金額を設定する必要があります。では、実際の学資保険の保険料と受取時期を国内A社の例で確認してみましょう。
契約者・被保険者の条件は以下の設定とします。
・保険契約者:30歳(男性)
・被保険者(子ども):0歳
●中学・高校・大学などの入学資金を準備したい人の契約例
保険期間:18歳満期
保険料払込期間:10歳まで基準学資金額:100万円
個別扱月払保険料:1万2900円
払込保険料総額:1万2900円×120カ月=154万8000円
学資金の受取時期:
(1)小学6年生のときに進学学資金30万円
(2)中学3年生のときに進学学資金30万円
(3)高校3年生のときに満期学資金100万円
受取学資金総額:160万円
返戻率:受取学資金総額÷払込保険料総額×100=103.3%(小数点第2位以下を切捨)
●大学などの入学資金を準備したい人の契約例
保険期間:18歳満期
保険料払込期間:10歳まで基準学資金額:40万円
個別扱月払保険料:1万5440円
払込保険料総額:1万5440円×120カ月=185万2800円
学資金の受取時期:高校3年生のときに一括で満期学資金200万円
受取学資金総額:200万円
返戻率:受取学資金総額÷払込保険料総額×100=107.9%(小数点第2位以下を切捨)
●大学などの入学資金と、在学中の学資金を準備したい人の契約例
保険期間:22歳満期
保険料払込期間:10歳まで基準学資金額:200万円
個別扱月払保険料:1万5700円
払込保険料総額:1万5700円×120カ月=188万4000円
学資金の支払時期:
(1)高校3年生のときに進学学資金40万円
(2)大学1~4年生のときに毎年進学学資金40万円×4回
受取学資金総額:200万円
返戻率:受取学資金総額÷払込保険料総額×100=106.1%(小数点第2位以下を切捨)
上記の契約例のように、学資保険は、受け取る時期や金額などを自由に選ぶことができ、それにあわせて、保険料や返戻率が変化します。
学資保険に加入するときの3つのポイント
学資保険で、子どもの教育資金を確実に得るには、以下の3つのポイントを押さえておくようにしましょう。●ポイント1:学資保険の返戻率が高い商品を選ぶ
返戻率(へんれいりつ)とは、支払った保険料の合計に対して、実際に受け取る金額の割合のことです。
返戻率は「受取学資金総額÷払込保険料総額×100」で計算します。
100%以下であれば、「返戻率が低く」払い込んだ保険料よりも受取金額が下回っていることになります。一方、100%を超えれば、「返戻率が高く」払い込んだ保険料よりも受取金額が上回っていることになります。
学資保険は、子どもの教育費を準備するのが一番の目的になります。なるべく返戻率が高いものを選ぶようにしましょう。
●ポイント2:学資保険に医療保障などの特約をつけない
学資保険では、教育資金を貯めることに目的を絞る以外に、子どもが亡くなったときの死亡保障、病気・ケガをしたときの医療保障などといった特約をつけるプランもあります。しかし特約がプラスになれば、その分保険料が上乗せされ、返戻率が下がってしまいます。学資保険の返戻率を高くしたいのであれば、余計な特約がついていない学資保険を選びましょう。
●ポイント3:学資保険には、なるべく早く加入する
一般的に保険は加入する時期が早ければ早いほど、支払った保険料を保険会社が運用する期間が長くなるため、月々の保険料の支払い額は安くなりますし、学資保険のような貯蓄性の高い商品だと返戻率も高くなります。
学資保険は、子どもの成長のタイミングで受け取る時期が決まっています。少しでも返戻率を上げるには、保険料の運用期間を長くする必要があります。