さらに興味深いのは、諦めた理由だ。男性が「経済的に余裕がない」(19.1%)が1位なのに対して、女性は「もともと結婚願望がない」(20.4%)がトップ。 一般的には「女性は結婚願望が強い」と思われているかもしれないが、女性の中には結婚に対してなんら夢も希望も抱いていない人が増えていることが浮き彫りになったのではないだろうか。
友人夫の“呆れた”モラハラ発言を聞いて失望
「私の回りはけっこう30代でバタバタと結婚していきました。残り少ない未婚グループで一時期、頑張って婚活もしたんですが、結局、私は独身のまま」苦笑しながらそう言うのは、ミヨさん(42歳)だ。自転車で10分のところに実家があるが、彼女は独立して生活している。ひとり暮らしも16年を越えて快適だという。
「独身だから誘いやすいのか、結婚した友人知人夫婦と食事に行くこともよくあります。だけどねえ、行くたびに私のもともとたいしてない結婚願望がさらに減っていく」
つい先日も、結婚して5年経つ会社の後輩夫婦と食事に行った。ところが彼女の夫のあまりの発言に、ミヨさんはチクチク嫌味を言わざるを得なくなったそう。
「後輩夫婦、どちらも知り合いなんですが、私は妻となったアイちゃんと仲がよかった。彼女は出産と同時に退職。今、ふたりの間には3歳になる女の子がいる。その日は彼女の両親が預かってくれていました。今度、娘ちゃんに会わせてねと私が言ったら、夫くんが『娘がアイにそっくりなんですよ』と言い出した。そして『将来、大丈夫かなと思って』と笑いながら言うんです。どういう意味?と聞いたら、『モテなかったらかわいそうじゃないですか』って。『あなたがアイちゃんを好きになったんでしょ』と言うと、『オレ、面食いじゃないんで』と。
失礼ですよね。女性の容姿をあれこれ言うのって聞いているだけでムカついてくる。『あなたに似れば美人だったと言いたいわけ?』とすごむと、『冗談ですよぉ』とごまかされましたけど。こういう男が多いから、そりゃ女だって結婚なんかする気がなくなるわと思いましたね」
アイさんは少し表情がひきつっていたという。夫が席を外したとき、「いつもあんな言われ方するの?」と聞くと、「本人は毒をまいて笑いをとっていると思い込んでるんですよ。でも不愉快ですよね」とつぶやいた。
「結婚してよかったと思っている人もたくさんいると思う。でも私は不仲な両親を見て育ってきました。私は両親とは違う、幸せな結婚をするんだと婚活していた時期もあるけど、今になって周りを見ると、やはり『すごく幸せ。結婚してよかった』と無条件に言う人はいない。みんな、こんなもんでしょと思いながら暮らしている。中には『仕事を辞めなくてよかった。子どもが大きくなったら絶対離婚する』と息巻いている女友だちもいます」
女性が「結婚願望がない」と言い切ってしまうのもわかると、ミヨさんは言った。
>高校生の頃に「ひとりで生きる」と決めた理由