人間関係

不幸な出来事が多発して気づいてしまった違和感。夫と私の「とんでもなく深くて暗い溝」

人はずっと幸せでいられるわけではないし、不幸ばかりの人生でもない。とはいえ、一時的に不幸なできごとが続くこともまたあるのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「禍福はあざなえる縄のごとし」という。この世の幸と不幸は、より合わせた縄のように表裏をなすもの……ということわざだ。ずっと幸福でいることもなければ、不幸だけの人生もない。喜びの裏には悲しみが潜んでいることもあるだろうし、災い転じて福となすということもある。
とはいえ、一時的に不幸なできごとが続くこともある。

昨年は不幸なできごとばかりだった……

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「昨年は年初から悲しいできごとがありました」

そう言うのはアズミさん(43歳)だ。松が明けたころ、70代半ばの父が突然、倒れてそのまま還らぬ人となった。特に持病があったわけではなく、元日にはアズミさん一家が訪れてにぎやかに過ごしたばかり。

「私はお父さん子だったから、一時は何をしても涙が流れてどうしようもありませんでした。小学生の娘たちにどれだけ慰めてもらったかわからない。四十九日が過ぎて、ようやく母のことを考えることができるようになったほど、自分の悲しみに埋没していました」

その後、母親も落ち込んではいたが、春には友だちと旅行に行けるほど元気になった。もともとそれほど仲のいい両親ではなかったから、母は悲しくなかったのではないかとアズミさんは思っているそう。

「まあ、母と私もあまり馬が合わないんですが、元気になってくれればそれでいい。母は近所に兄一家が住んでいたので、特に寂しいわけでもなかったでしょうし」

だが、夏前、その兄夫婦が離婚してしまう。どうやら妻に好きな人ができて、家を出て行ってしまったらしい。高校生の息子は父親のもとに残ったが、その後、「やっぱりお母さんと暮らす」と出て行った。

「義姉の好きな人も既婚者だったようです。兄はプライドを傷つけられ、子どもにも見放されて行き場がなくて実家に戻った。これは母もストレスだったようです。その後すぐ、母が体調を崩して入院、コロナ禍で見舞いにも行けなかったけど心配は尽きなかった」

さらにその後、アズミさんが学生時代から親しくしていた女友だちが、ある日突然、自ら命を絶ってしまった。これがアズミさんの心を直撃した。

「彼女が亡くなる前日に私、LINEのやりとりをしているんです。次の週に会う約束もしていた。彼女は確かに夫や義母のことでいろいろ問題を抱えていたけど、会えば明るく話す人だった。私は何も気づいてあげられなかったんです」

後悔は日に日に大きくなっていった。

>不幸の沼に落ちそうな私に夫は……
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