お金持ちは住宅を必ずローンで買う!?
普通の人はローンの金利はもったいないと感じるので、なるべく多くの頭金を入れて家を買おうとします。また、借金している状態が気持ち悪いので、お金が貯まれば繰り上げ返済を多用します。しかし、私の知人で資産が数十億円を持っている経営者は「必ずローンで買う」と言います。
なぜお金持ちは住宅を「必ずローンで買う」のか
こんな話を聞くと、やはりお金を持っていることと、お金をうまく使うこととは別物であるということがわかります。もちろん「家はローンで買え」と言うわけではなく、1.5~3%以上で運用することができない人は、現金一括払いをして、その金利支払いを逃れる方が得策です。
しかしビジネスや投資で高い利回りを叩き出せる人なら、家などに回す自己資金は極力小さい方が圧倒的に資金効率がいいということです。もちろん、本当の富裕層はキャッシュで買いますが、これは運用に回す必要がないほど多額のお金を持っているということですから、参考にはならないですね。
反対に、本当に貧乏な人はお金がないので、仕方なくローンで買います。こういう人は資金を運用することもできないので、ただ高い金利を払わされ、お金を失うだけに終わってしまうということです。
また富裕層は、投資用不動産もローンを組んで買います。ローンの返済は家賃収入で補えるので、必要なのは頭金だけ。それでも、家賃からローンや経費を引いた残りは自分の利益だし、ローンを完済すれば、いくらで売却してもお金が手元に残りますから、銀行という他人のお金を使って貯金を増やしているようなものです。このことから、彼らの多くが不動産好きというのもわかるような気がします。
金利上昇局面の2023年でもローンを組むのか?
そしてこの原稿を書いている2023年は金利上昇局面であり、それでもローンを組むのか?という疑問が湧くかもしれませんが、答えは「それでもローンを組む」です。なぜなら金利が上昇すれば返済額がアップするため、家を買い控える人が増え、不動産の価格が下がりやすいからです。それはつまり安く買えるチャンス。
また、地価の下落局面では、銀行も担保価値の目減りを恐れて融資基準を厳格化しますから、ますます買える人が減り、それでますます不動産価格が下がる。
一方、富裕層の多くは金融機関から見れば、是が非でもお金を貸したい優良顧客ですから、金利等の条件も優遇されやすい。これもチャンスというわけです。
ある資産家曰く、「お金を増やすのに自分のお金を使うなんてもったいない。自分のお金は使わず、他人のお金を使って増やすのが資産運用だ」だそうです。