今年64歳、ダブルワークをしています。妻が若いので65歳から年金をもらうつもりですが、収入の制限はどうなりますか？

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、ダブルワークをしている方が65歳から年金をもらう場合、収入の制限はどうなるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

Q：今年64歳、ダブルワークをしています。妻が若いので65歳から年金をもらうつもりですが、収入の制限はどうなりますか？

「私は今年64歳になります。ダブルワークをしています。1つは正社員（年収320万円＋交通費）で厚生年金に加入しています。もう1つは会社の休日（月5～8日）のアルバイトで月平均10万円ぐらいもらっていますが、こちらは年金に加入していません。妻が若いので65歳から老齢年金をもらうつもりですが、収入の制限はどうなりますか？」（ちょこにしき）

A：正社員として得た収入のみが在職老齢年金制度によって調整されます

相談者「ちょこにしき」さんは、正社員の仕事とアルバイトを掛け持ちしているのですね。そして65歳から老齢年金を受け取り始めた場合、「在職老齢年金制度」によって、老齢年金が支給停止となることを心配しているとのこと。

在職老齢年金制度とは、60歳以上で、老齢厚生年金もらいながら厚生年金に加入し働いて得た「総報酬月額相当額（年間給与・賞与の1/12）」と、「年金月額（老齢厚生年金額の1/12）」の合計が一定額以上（48万円）である場合、老齢厚生年金が全部または一部支給停止される仕組みのことです。

具体的には厚生年金に加入し働いて得た「総報酬月額相当額（年間給与・賞与の1/12）」と「年金月額（老齢厚生年金額の1/12）」が48万円を超えなければ、老齢厚生年金が支給停止されることはありません。

「ちょこにしき」さんの場合は、厚生年金に加入し働いて得た「総報酬月額相当額（年間給与・賞与の1/12）」の合計が330万円（総報酬月額27万5000円）と仮定した場合、年金月額19万円ほどの老齢厚生年金であれば、全額支給されます。

なお、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が支給されますが、厚生年金に加入しどんなに高収入を得ていても、老齢基礎年金は全額支給されます。高収入により支給停止されるのは老齢厚生年金のみです。

また、在職老齢年金の計算には厚生年金に加入して働いて得た収入のみが含まれます。

したがって、「ちょこにしき」さんのアルバイト収入も、厚生年金に加入していなければ、どんなに高給であっても老齢基礎年金額や老齢厚生年金額（在職老齢年金）には影響しません。

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