大丈夫じゃないけど「大丈夫」と答えてしまう……
・「大丈夫ではない」と言ったら、嫌われそうで怖い
・相手の「大丈夫だと言ってほしい」という威圧感に負けている
・「自分が大丈夫ではないこと」を分かっていない
苦しい気持ちや状況を相手にうまく伝えるためにはどうしたらいいのでしょうか? それぞれの理由ごとに分析し、考えていきましょう。
「大丈夫ではない」と言ったら、嫌われそうで怖い
相手に嫌われたくないと思っていると、つい頑張りすぎてしまうことがあります。しかし、大丈夫ではないのに無理をしてしまうと、必ず何かしらの支障が出てくるはず。例えば、思い通りに作業が進まなかったり、身体を壊してしまったり。その結果、本当に“大丈夫ではない状況”になってしまったほうが、むしろ相手からの印象が悪くなってしまうでしょう。素直に「大丈夫ではない」と言えば、相手も何かしらの対策を打ってくれる場合が多いはず。逆に、それでも根性論で無理強いする人であれば、そんな相手には嫌われたっていいくらいです。
なぜなら、相手は「あなたを大切にしてくれる人」ではないから。
誰もが「大切にされるべき存在」です。だから、邪険な扱いをしてくる相手と関わるときは、自分の身を守りましょう。
相手の「大丈夫だと言ってほしい」という威圧感に負けている
「大丈夫?」と聞いてくる人の中には、こちら側に「大丈夫だと言ってほしい」という圧をかけてくる人もいますよね(苦笑)。そういう人は、本当に相手のことを心配しているのではなく、自分が責任を問われないために、一応(形だけ)、問題はないか聞いている可能性もあります。そんな“心配しているフリ”をしている相手には、むしろ、「大丈夫ではない」と伝え、自分が抱えている悩みについてきちんと打ち明けたほうがいいでしょう。そうすれば、必ず何かしらの手段をとろうとしてくれるはず。大丈夫でないと聞いてしまった手前、何の手助けもしなければ、「自分に落ち度がある状態」になってしまいますしね。
だから、できないときには「できません」と言う勇気を持てるようになりましょう。そうでないと、 最終的に“大丈夫だと言った自分”の責任にされてしまうかもしれませんよ。
とはいえ、相手が“あいさつ代わり”の軽い気持ちで「大丈夫?」「元気?」と聞いてくるときに、「大丈夫ではない」とは言いにくいのも確か。その場合、「大丈夫じゃない」「元気じゃない」と返してしまうと、感じ悪く受け取られてしまうこともあるでしょう。
そういうときは、例えば、「実は……(少し間を空けて)大丈夫ではないんです」と、相手の気分を害さない言い方をする方法もあります。上手な言い方を自分なりに研究してみましょう。
「自分が大丈夫ではないこと」を分かっていない
自分自身と対話ができていないと、「大丈夫ではない状態」を自覚しない場合もあります。こういうタイプは、ストレスと疲労によって体を壊すまで、「自分が大丈夫ではなかったこと」に気づかないのです。その状態を、単なる「頑張り屋さん」で片付けてはいけません。なぜなら、自分の心と体の声を聞かずに、がむしゃらに頑張ってしまう行為は、「自分を虐めること」だからです。
誰もがみんな、他人のことを見ているようで見ていません。分かっているようで、分かっていません。みんなそれぞれ、自分のことでいっぱいいっぱいだからです。せめて自分のことは自分できちんと理解して、守っていかないといけません。
無理をしているのに、「大丈夫です」と答えてしまうのは、決して“偉いこと”ではありません。日頃から自分と対話をし、つらいときは遠慮をせず、周りに伝えるようにしましょう。
甘えられないのは「相手を信用していないから」かも
人に甘えられないのは、「相手を信用していないから」ともいえます。それでは、いい人間関係は築けないし、助け合うこともできません。もちろん、信じる相手は選んだほうがいいですが、信じられると思える相手には、困ったときに相談できるようになりましょう。相手だって、「自分を頼ってくれているんだ」とうれしい気持ちになってくれるかもしれません。
ただし、ただ「大丈夫ではない」と打ち明けても、「楽をしようとしているだけなのではないか」と、相手に勘違いされてしまうこともあります。そんなときは、「なぜ大丈夫ではないのか」を相手が分かるようにきちんと説明をすること。そして、どんな対策をとってもらいたいのか、まできちんと提案したほうがいいでしょう。
私たちは生身の人間なので、できることには限度があります。また、健康でいることは、何よりも大切です。長い目でみたら、無理は禁物ということ。大丈夫ではないときは、「つらい状態であること」を伝えられるようになりたいものですね。