寿司

スシローも対応に追われる、回転寿司店での「迷惑行為」…その背景と回転寿司業界の今後を考える

ここ最近、物議を醸している飲食店での「迷惑行為」。特にその被害は回転寿司店に集中しているが、その理由と回転寿司業界の今後について、回転寿司評論家の筆者が解説する。

米川 伸生

執筆者:米川 伸生

寿司ガイド

このところ、飲食店における「迷惑行為」が物議を醸している。

イタズラ動画をインターネット上にUPして面白がっている人が悪いのは当然として、こういった行為がなぜ“回転寿司店”に集中しているのか、今後の回転寿司業界はどうなるのか探っていきたいと思う。
 

回転寿司ならではのビジネスモデルが起因か

波紋を広げている回転寿司店での「迷惑行為」

波紋を広げている回転寿司店での「迷惑行為」

まず、筆者が回転寿司店に足を運んで感じているのは、極端に従業員との接触が減っている、ということ。それこそ入店から退店まで一度も従業員と接触することがない店舗も増えてきている。コロナ禍での取り組みとして大きく評価を得ていたことではあるものの、それが今回の事件の要因のひとつではないかと思う。

回転寿司のビジネスモデルでは、安価に寿司を提供する最後の切り札が「人件費の削減」である。人を増やし監視の目を厳しくすればこういった行為の抑制につながるとは思うが、それでは値上げをせざるを得ない。機械化によって「食の安心・安全」が脅かされることになるとは考えていなかったのかもしれない。

ただ、いまのシステムで「食の安心・安全」が守れないのだとしたら、企業としては対策を打ち出す必要がある。迷惑行為をする客が悪いとしても、何もしなければ今回の件で回転寿司に行くのをやめてしまった人々が戻ってくることはないからだ。

スシローでは被害を受けて、当該店舗と近隣店舗において、調味料、箸など従来テーブルに置いてあった物が一箇所に集められ、客がそれぞれ席に持っていく方式を採用。また、客席とレーンの間にアクリル板を設置し、迷惑行為が発生しにくい状況を作るとを発表した(※1)。

迅速な取り組みとして評価をすると共に、今後どのような形で全店に普及させていくのか注視したい。

>次ページ:実際にイタズラ対策を講じている店舗もある
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