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赤色の「サクマ式ドロップス」はまだ買える!? 赤缶と緑缶の2種類がある理由は?(2ページ目)

『サクマ式ドロップス』の佐久間製菓廃業の報道を受け、同社の赤い缶入りドロップスは店頭から消えましたが、サクマ式ドロップスはまだ買えます! ドロップスに「赤缶」と「緑缶」がある理由もご説明します。

久須美 雅士

執筆者:久須美 雅士

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ここからは佐久間製菓とサクマ製菓、ドロップスの他にどのような商品があるのか見ていきます。
 

災害非常用のドロップスもやっぱり赤と緑だった!

非常携帯用サクマ式ドロップスと非常用ボトル缶ドロップス

左:非常・携帯用サクマ式ドロップス(佐久間製菓)、右:非常用ボトル缶ドロップス(サクマ製菓)

レギュラー品の赤缶と緑缶が入手できなかったので、災害非常用の保存缶をお目にかけます。サクマ製菓のほうは現在プラ容器入りになっています。保存缶でも赤は佐久間製菓、緑はサクマ製菓になっているのが、アイデンティティを保っているようで興味深いです。
 

健康志向の『佐久間製菓』~ヨーグルト味~

佐久間製菓キャンロップヨーグルトと活きた乳酸菌ヨーグルトキャンディ

左:キャンロップヨーグルト(佐久間製菓)、右:活きた乳酸菌ヨーグルトキャンディ(佐久間製菓)

次は、入手できた佐久間製菓の製品をお目にかけます。キャンロップは1958年に天然果汁入りキャンディとして発売されました。いずみたく氏作曲のCMソングも話題になりました。

佐久間製菓はヨーグルトや乳酸菌を用いた製品が多く、活きた乳酸菌ヨーグルトキャンディも得意分野の商品といえます。
 

健康志向の『佐久間製菓』~のど飴~

佐久間製菓乳酸菌ののど飴とまるのまんまみかんののど飴

左:乳酸菌ののど飴(佐久間製菓)、右:まるのまんまみかんののど飴(佐久間製菓)

こちらは佐久間製菓ののど飴です。佐久間製菓は1962年に厚生省認可の咳止めボンボンを開発、1984年には八王子の工場に医薬品製造認可G.M.P.ラインを設置したことからもわかるように、健康志向の商品が多いのが特徴です。

また、今回は入手できなかったのですが、八王子産のパッションフルーツを使って八王子の工場で製造した『八王子キャンディ』もあり、八王子土産として販売されています。
 

新機軸が多い『サクマ製菓』~CMでもお馴染みの大ヒット商品~

サクマ製菓チャオ復刻版といちごみるく

左:チャオ復刻版(サクマ製菓)、右:いちごみるく(サクマ製菓)

高度経済成長時の大ヒットキャンディというと、この2品でしょう。チャオは1964年に発売されたチョコレート入りキャンディです。イタリアから輸入した製造機械で作ったことから、商品名をイタリア語での挨拶『チャオ』にしたとのことです。『チャオ、チャオっと食べチャオっ!』というCMソングが記憶に残っています。画像の品は復刻版パッケージです。

いちごみるくは1970年発売です。こちらはサクサクなミルフィーユを苺キャンディで包んだものです。『まーるくって、ちっちゃくって、三角だー』というCMソングも流行し、人気商品になりました。
 

新機軸が多い『サクマ製菓』~大ヒット商品の姉妹品たち~

サクマ製菓ぶどうみるくと噛む×高カカオキャンディ

左:ぶどうみるく(サクマ製菓)、右:噛む×高カカオキャンディ(サクマ製菓)

いちごみるくの姉妹品も多数販売されています。その中から2010年発売のぶどうみるくを掲載します。

また、最近の高カカオチョコレートブームにあやかって、2017年にはカカオ100%キャンディが発売されました。チャオと同じくチョコレートを使ったキャンディですが、キャンディの構造はいちごみるくと同じです。
 

新機軸が多い『サクマ製菓』~流行りの素材を取り入れた商品~

サクマ製菓のクエン酸キャンディとソルティバタークッキーキャンディ

左:クエン酸キャンディ(サクマ製菓)、右:ソルティバタークッキーキャンディ(サクマ製菓)

サクマ製菓の最近の製品です。疲労回復につながるといわれるクエン酸をキャンディにして、摂取しやすくしたものです。戦前にクエン酸を秘薬としていたサクマドロップスの故事からすれば、脇役が主役になったような製品ですね。

ソルティバタークッキーキャンディはフランス産発酵バターキャンディで塩仕立てのクッキークランチを包んだものです。キャンディの構造的はいちごみるくと同じです。

クエン酸や発酵バターなど、最近の流行も取り入れた製品が多いのがサクマ製菓製品の特徴といえます。
 

佐久間製菓の廃業に思うこと

佐久間製菓とサクマ製菓、ドロップスが基になっているとはいえ、商品の傾向が大きく異なっていることがわかります。佐久間製菓の製品はどちらかというとシニア層向けの品が多く、サクマ製菓の製品は子どもや若者向けの品が多い印象です。

ここから考えますと、佐久間製菓は前述の東京商工リサーチの記事のとおり、ヒット作、それも子ども・若者向けの商品を出すことができなかったのが、今回の廃業につながっているのではないでしょうか。

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