災害非常用のドロップスもやっぱり赤と緑だった!
レギュラー品の赤缶と緑缶が入手できなかったので、災害非常用の保存缶をお目にかけます。サクマ製菓のほうは現在プラ容器入りになっています。保存缶でも赤は佐久間製菓、緑はサクマ製菓になっているのが、アイデンティティを保っているようで興味深いです。
健康志向の『佐久間製菓』~ヨーグルト味~
次は、入手できた佐久間製菓の製品をお目にかけます。キャンロップは1958年に天然果汁入りキャンディとして発売されました。いずみたく氏作曲のCMソングも話題になりました。
佐久間製菓はヨーグルトや乳酸菌を用いた製品が多く、活きた乳酸菌ヨーグルトキャンディも得意分野の商品といえます。
健康志向の『佐久間製菓』~のど飴~
こちらは佐久間製菓ののど飴です。佐久間製菓は1962年に厚生省認可の咳止めボンボンを開発、1984年には八王子の工場に医薬品製造認可G.M.P.ラインを設置したことからもわかるように、健康志向の商品が多いのが特徴です。
また、今回は入手できなかったのですが、八王子産のパッションフルーツを使って八王子の工場で製造した『八王子キャンディ』もあり、八王子土産として販売されています。
新機軸が多い『サクマ製菓』~CMでもお馴染みの大ヒット商品~
高度経済成長時の大ヒットキャンディというと、この2品でしょう。チャオは1964年に発売されたチョコレート入りキャンディです。イタリアから輸入した製造機械で作ったことから、商品名をイタリア語での挨拶『チャオ』にしたとのことです。『チャオ、チャオっと食べチャオっ!』というCMソングが記憶に残っています。画像の品は復刻版パッケージです。いちごみるくは1970年発売です。こちらはサクサクなミルフィーユを苺キャンディで包んだものです。『まーるくって、ちっちゃくって、三角だー』というCMソングも流行し、人気商品になりました。
新機軸が多い『サクマ製菓』~大ヒット商品の姉妹品たち~
いちごみるくの姉妹品も多数販売されています。その中から2010年発売のぶどうみるくを掲載します。また、最近の高カカオチョコレートブームにあやかって、2017年にはカカオ100%キャンディが発売されました。チャオと同じくチョコレートを使ったキャンディですが、キャンディの構造はいちごみるくと同じです。
新機軸が多い『サクマ製菓』~流行りの素材を取り入れた商品~
サクマ製菓の最近の製品です。疲労回復につながるといわれるクエン酸をキャンディにして、摂取しやすくしたものです。戦前にクエン酸を秘薬としていたサクマドロップスの故事からすれば、脇役が主役になったような製品ですね。ソルティバタークッキーキャンディはフランス産発酵バターキャンディで塩仕立てのクッキークランチを包んだものです。キャンディの構造的はいちごみるくと同じです。
クエン酸や発酵バターなど、最近の流行も取り入れた製品が多いのがサクマ製菓製品の特徴といえます。
佐久間製菓の廃業に思うこと
佐久間製菓とサクマ製菓、ドロップスが基になっているとはいえ、商品の傾向が大きく異なっていることがわかります。佐久間製菓の製品はどちらかというとシニア層向けの品が多く、サクマ製菓の製品は子どもや若者向けの品が多い印象です。ここから考えますと、佐久間製菓は前述の東京商工リサーチの記事のとおり、ヒット作、それも子ども・若者向けの商品を出すことができなかったのが、今回の廃業につながっているのではないでしょうか。
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