「リフォーム」と「建て替え」の違いとは?
キッチンや浴室など、特定の部分だけを修繕したい場合は「リフォーム」を選ぶもの。でも、あちこち直したいときは、思い切って「建て替え」するという選択肢もあります。
今回は、家を改善する方法を選ぶポイントや、どんな方にお勧めなのかを専門家にうかがってみましょう。「リフォーム」は住友林業ホームテック 営業推進部の早川允将さん、「建て替え」は住友林業 営業推進部の松原康二さんに聞きました(以下敬称略)。
まずはリフォームと、建て替えの違いについて教えてください。
早川「壁紙の貼り替えなど小規模なものから、間取りを全面的に変更する大掛かりなもの、敷地内の庭の整備や外構工事など、非常に幅が広いのがリフォームです。家全体に手を入れるときも、元の家が少しでも残っていればリフォームになります」
松原「逆に、新築するのと同じく、基礎部分から家を新たに構築しなおすのが建て替えです。建物の劣化が進んでリフォームでは修繕できない場合などは、建て替えという選択になるでしょう」
早川「リフォームというと、修理・修繕といったイメージが強いと思いますが、住友林業ホームテックは、お客様の住まい方に寄り添い、元の家と比べてより良くしていくことをご提案しています。この点は、建て替えと共通している部分だと思います」
~ポイント~
リフォームとは、元の家を(一部でも)残しながら、家を改善するもの。
建て替えとは、新築と同じように基礎の部分から新たに家を構築しなおすもの。
「リフォーム」と「建て替え」、どちらか選ぶときの基準やポイントは?
家全体を新しくしたい場合は、リフォームと建て替えで悩んでしまいそう。どちらを選ぶのか、決め手になるようなポイントがありますか?
早川「今の家に思い入れがある場合は、リフォームという選択をされる方が多いです。家族が愛着を持っている家や後世に残していきたい部材や大黒柱を、当時の趣のまま残していきたい……といったケースですね」
松原「建て替えでは、それまであった柱や基礎などの構造に頼ることなく、新たに設計される基準に沿った規格や構造のルールを適用していくため、大黒柱を残したいという希望があっても撤去せざるを得ません。その場合は、柱としてではなく、玄関の上がりかまちやテーブルなどに形を変えて再生するといった活用が考えられます」
早川「新築かリフォームで悩んでいたお客様が、興味深い理由で、リフォームに決めていただいた事例があります。そちらのお宅には仏壇と神棚が縦並びで設置されていました。お客様は工事後も同様に設置したいと考えていましたが、それをするには天井高を3m以上確保する必要がありました。建て替えだと規制によって工事が不可能だったこともあり、リフォームで対応させていただきました。大切な思い出を活かしながら修繕できるのは、リフォームならではのメリットだと思います」
もとの家にこだわりのある方は、リフォームという選択に
リフォームより建て替えを検討した方がよいのは、どんなケースでしょうか。
松原「家の間取りを大幅に変更する必要があったり、土地の使い方から変えたりするときには建て替えになります。例えば、駐車場のスペースを変更したい場合や、車の台数が増えて家の形を変えざるを得ない場合、2階建てから3階建てにする、自宅に店舗や賃貸住宅を併設する……などの場合ですね」
建て替えなら、0から理想の家を作り直すことができる
~ポイント~
元の家に思い入れやこだわりがあり、残したい箇所がある場合はリフォームを検討。
間取りや土地の使い方を変えるなどの工事になる場合は建て替えを検討。
費用面の差や、気がつきにくい注意ポイントは?
どちらを選ぶ場合も、やはり気になるのは費用のことです。リフォームの方が金額を抑えられそうなイメージがあるのですが……。松原「建て替えはどうしても大きな費用がかかります。もちろん住宅ローンや補助金が利用できますし、新築同様に税金・金利など最新の優遇制度が使えるので、それらを上手に活用してほしいですね」
早川「一般的には、リフォームの方が安くなることが多いです。ただ、工事をする箇所や内容によって、思いのほか費用が増えることも。新築や建て替え同様、リフォームでもローンが組めますし、耐震・バリアフリーなどの補助金も充実しているので、相談をしてみてください」
それぞれを検討する際に、注意すべきポイントがあれば教えてください。
松原「建て替えの際、元の家を建築した時代と法規制が変わっていることがあります。新しい規制に沿って建てる必要があるため、元の家と同じ位置や規模で建てられるとは限らないケースもあります。リフォームであれば今の規制が緩和されることもあり、現状を活かせるのがいい点だと思います」
早川「耐震や断熱、メンテナンス性など家の機能面は、やはり建て替えの方が充実しています。リフォームでも、機能面で新築同様に向上させていくことは可能ですが、建物状況によっては、かなり大掛かりなリフォームが必要になることも多いです。機能性を上げる工夫としては、最近は環境に配慮した太陽光発電や、蓄電池の導入を含めたリフォームが増え、光熱費のカットにもつながっています」
断熱リフォームは、サッシの交換や断熱材の充てんで対応
~ポイント~
リフォームの費用と注意点:費用は抑えやすい。家の性能向上リフォームも可能だが、建て替えと比べると十分ではないことも。
建て替えの費用と注意点:大きな費用が必要。新しい規制で建てるため、元の家にはなかった制限も。
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