年金・老後のお金クリニック

私は70歳、妻が65歳になり、私の加給年金が打ち切りになりました。減額された分は妻がもらえるのですか?

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、妻が65歳になり、夫の年金が減額された分が妻の年金に加算されるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

執筆者:All About 編集部

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、妻が65歳になり、夫の年金が減額された分が妻の年金に加算されるのかについてです。年金についての質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。
 

Q:私は70歳、妻が65歳になり、私の加給年金がなくなってしまいました。減額された分は妻がもらえるのですか?

「妻が65歳になり、私の加給年金がなくなってしまいました。加給年金の減額分は、妻の年金として支給されるのですか?」(70歳・Yさん)
 
減額された年金は、妻の年金にプラスされるの?

打ち切られた加給年金は、妻の年金として支給される?

 

A:相談者(夫)が受け取っていた配偶者加給年金額は支給停止されますが、妻が受け取る老齢基礎年金に「振替加算」が支給されます

配偶者加給年金額をもらっていた人(相談者の場合、夫)の配偶者(妻)が、65歳になり老齢基礎年金を受け取れるようになると、配偶者加給年金額は支給停止になります。ただし配偶者(妻)の老齢基礎年金に「振替加算」が加算されるようになります。

振替加算とは、老齢厚生年金等に加算される配偶者加給年金額の対象者になっている配偶者が65歳になると、それまで支給されていた加給年金額が打ち切られますが、一定の条件を満たす配偶者の老齢基礎年金に加算される金額のことです。一定の条件とは、昭和41年(1966年)4月1日生まれまでであること等です。

振替加算の支給額は、年齢によって異なります。相談者の妻は、2022年10月現在で65歳(昭和32年(1957年)生まれ)とのことですので、振替加算を受け取ることができます。昭和32年4月2日~昭和33年4月1日生まれの人は、月額3226円の振替加算が支給されます。

なお、振替加算は、国民年金保険の加入期間40年を満たすことができない人のために設けられました。現在の年金制度が始まったのは、昭和61年4月からであり、その時点で、すでに20歳以上となっている専業主婦は、40年間という国民年金保険の加入期間を満たすことができません。

その結果、65歳から、国民年金保険から支給される老齢基礎年金を満額で受け取ることができず、老齢基礎年金も少なくなってしまいます。振替加算は、そういった方の年金額を補う役目をもっています。そのため生年月日によって加算される金額が違います。もらえる人は、昭和61年4月時点で、すでに20歳以上になっている人が対象なので、昭和41年(1966年)4月1日生まれまでの人ということになります。

※年金プチ相談コーナーに取り上げてほしい質問がある人はこちらから応募するか、コメント欄への書き込みをお願いします。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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