現在と離婚後のお金の流れを「見える化」することで、熟年離婚後も、幸せな毎日を過ごすことができます。熟年離婚に向けた3つのお金の段取りをお伝えします。
【段取り1】現在のお金の流れを「見える化」する
離婚前にやっておきたいことの1つ目は、まずは現在の家計収支を「見える化」することです。具体的には以下の2つをやってみましょう。1. 現在、世帯が持っている資産と、自分が相続した資産を全部書き出す
世帯全体の資産がいくらあるのか、一覧に書き出してみましょう。ざっくりいうと、以下のように書き出してみます。
【世帯の資産】
普通預金:200万円
定期預金:500万円
終身保険:妻100万円・夫200万円
持株会:夫150万円
持ち家の評価額:1000万円
合計:2150万円
等です。
現在、世帯の持つ資産を書き出すことで客観的に考えることができます。熟年離婚する場合は、財産分与として、夫婦で資産を分割することになります。資産を一覧で書き出してみると、果たして熟年離婚後、いくらぐらいの財産を分割できるのか、冷静な判断をしやすくなるのです。資産が思ったより、少ないのであれば、「今は離婚は無理」と踏みとどまることもできます。
また、自分の親から相続したお金や不動産は個人の資産です。しかし、世帯の資産とごちゃまぜにしていると、イザ離婚のとき、もめる原因の一つになります。自分の資産はキチンと分けて書き出しておきましょう。
【自分の資産】
親から相続した普通預金:200万円
●●区の土地の評価額:2000万円
合計:2200万円
等です。
2. 現状の家計収支を家計簿につけておく
熟年離婚後は、家計が厳しくなる場合が多いので、離婚前から、きちんとした生活設計を立てておく必要があります。まずは現状の家計簿を作成します。「家計収支は頭の中でわかっているから必要ない」と思いがちです。しかし、家計収支を実際に書き出してみると思い違いをしていた、という場合があります。
実際に駐車場代が1万円だと思っていたら実際は1万6000円だったという人もいました。この場合、年間で7万2000円の差額が発生します。細かい支出もきちんと書き出しておきましょう。
熟年離婚で貧乏老後にしないために資産を計算しておこう
【段取り2】離婚後の生活設計を計画しておこう
段取り1で作った資産表と家計簿で、お金の流れを振り返ります。離婚後は、毎月の支出を自分の収入以下におさえて生活しなくてはなりません。できるだけ無駄を省き、心が豊かになるお金の使い方に厳選していくことが大事です。
一人になっても絶対に必要な項目はどれか? 支出しなくてもいい費用はどれか? 振り返ることで、離婚後の暮らしに本当に必要な支出がわかってきます。
離婚後の収支も、ざっくりとある程度の予測を立てておきましょう。
熟年離婚で貧乏老後にしないために、離婚後のお金の計画を立てておきましょう
【段取り3】熟年離婚後、自分がもらえる公的年金額を把握しておこう
離婚前に、調べておいてほしいことは、離婚後に自分の「公的年金」がいくらもらえるのかについてです。公的年金は終身にわたり給付が受けられる制度。老後の大切な収入源となります。離婚した場合、公的年金も「合意分割」または「三号分割」として、分割することになります。
お住まいの地域を管轄する「年金事務所」等で相談をしておくことをオススメします。年金事務所では、婚姻中であっても、「合意分割」または「三号分割」で離婚後に受け取れる年金の金額を試算してもらうことができます。自分自身の年金受給額と一緒に調べておくと、老後資金の計算に役立ちます。
【まとめ】熟年離婚で貧乏老後にしないために
熟年離婚をすることで、貧乏老後にしないためには、現状のお金の流れを明確にすることが第一歩です。お金のことが明確になると、後悔なく前に進む自信が持てるようになります。紹介した3つの段取りをしっかりとおこなっておきましょう。【関連記事をチェック!】
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