離婚

ryuchellさんとpecoさんに見る、夫婦が上手くいく「パートナーシップ」の築き方

タレントのryuchellさんとpecoさんが、夫と妻ではない、新しいかたちのパートナーとして生きていくことを発表しました。注目される「新しい時代のパートナーシップ」について、のべ3万5000件以上の相談にのってきた夫婦問題研究家の岡野あつこが解説します。

岡野 あつこ

執筆者:岡野 あつこ

離婚ガイド

ryuchellさんの発表に様々な世間の声

ryuchell

ryuchellさん 写真:つのだよしお/アフロ

タレントのryuchellさん(26歳)とpecoさん(27歳)が「これからは”夫”と”妻”ではなく、人生のパートナー、そしてかけがえのない息子の親として、家族で人生を過ごしていこうね。という形になりました」と離婚を発表。新しい時代のパートナーシップのあり方に注目が集まっています。

法律上は夫婦ではなくなったものの「もちろん、今まで通り家族で暮らします」とのこと。pecoさんも「りゅうちぇるだからこそ、これからも人生のパートナーとして家族として、いっしょにいたいと思えるし、これからも今まで通り3人で暮らしていきます」とryuchellさんと4歳になる子どもと一緒に生活していくことを伝えています。

この結論にいたった背景について、ryuchellさんは「“本当の自分”と、“本当の自分を隠すryuchell”との間に、少しずつ溝ができてしまいました」としています。「女性を好きになることは、僕の人生の中で、初めての事でした」というカミングアウトがあったこともあって、「今さらそんなことを切り出されても奥さんが気の毒」「妻には結婚する前に打ち明けるべきだったのでは?」などと、pecoさんに対して同情的な世間の声も多数あったようです。
 

ようやく日本にも……

このニュースを受けた私の率直な感想は、「ようやく日本も『パートナーシップありき』で夫婦関係を考える時代になったのね」というものでした。今の日本にはまだ、結婚したら入籍し、子どもを生んで家族として育てていくもの、という慣習が当たり前のように横たわっています。

ところが、今回のryuchellさんとpecoさんの決断は、その概念を大きく変えるもの。「結婚や入籍をしていてもしていなくても、お父さんとお母さんという立場で区分しなくても、私たちには不動の絆がある」というパートナーシップを軸に、これから自分たちらしく生きていくための道を選んだといえます。

「パートナーシップありき」で離婚を決断するには勇気が必要なのも事実。社会的な制約はもちろん、親や世間に納得してもらえるかどうか、ひとりで生きていく不安感をどう払拭するかといった問題もはらんでいます。形態にこだわらず、自分らしさを尊重して生きていくためにはリスクをともなう、ということでもあるのです。
 

パートナーシップには段階的特徴がある

パートナーシップには、それぞれの段階によって特徴があることも覚えておきたいことでしょう。

1.「恋愛」の段階
この段階では、理想の相手と出会って恋愛がスタートすると、その相手こそが運命の相手だと思い、かけがえのない存在だと信じることができるので、たいした努力をしなくてもパートナーシップを築けたような気になるものです。

2.「結婚」の段階
結婚すると、あれほど理想的に思えた存在だったはずのパートナーの違った一面に気づくようになります。パートナーシップを築くためには、お互いに努力が必要だと考えはじめるのもこの時期です。

3.「家族」段階
子どもが誕生し、「家族」の段階に入ると、さらにパートナーシップは変化します。人間的に成熟していく過程でお互いの欠点や失敗を認め合い、理解することができるようになる一方、「自分らしく生きていくためには、どうしたらいいのか?」という個人の問題も生まれてくるものです。

家族の段階になって「自分らしく生きていくためには、どうしたらいいのか?」という壁にぶちあたり、どういう選択をして幸せになろうとするのかは人それぞれ。でも、今回のpecoさんのように、パートナーが出した真剣な答えを尊重するのは、間違いなく二人の間にゆるぎない絆があればこそできた決断でしょう。人生は未知の旅。夫婦の目指すゴールが違っても、築き育んだ絆は変わらず二人の幸せに向かって永遠に存在するのです。
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