2000年代初めがファンタの最盛期!?
2000年代に入ると、年間数種類の新フレーバーが発売されるようになりました。
過去のフレーバーの復刻や、『ある・ない』論争を産んだゴールデンアップルの販売、アンズやユズなどの和風フレーバーなど、フレーバーのバリエーションから考えると、この頃の販売戦略が一番華やかだったように個人的には思います。
この時代のテレビCMは『ファンタ学園』というシリーズで、面白い先生が登場する理不尽モノのCMが放送されていました。広告業界のイベントであるACC CM FESTIVAL(現:ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS)で受賞するくらい、面白いCMだったと記憶しています。
このCMからすると、ターゲットは再び中高生に戻ったのではないかと思います。
フレーバー以外のセールスポイントも
2010年前後になりますと、ファンタの商品ラインナップに変化が出てきます。それまでは、フレーバーのバリエーションで楽しむスタイルだったファンタですが、2008年にゼロカロリー版やゼリー入りが登場しています。
それまで、青少年向け炭酸飲料でカロリーに配慮した商品はあまりありませんでしたが、子どもの頃から生活習慣病に配慮しないといけない時代になりました。ゼリー入り『ふるふるシェイカー』は振ることで缶の中のゼリーを崩して飲む炭酸飲料でした。
子ども向けと大人向けへの二分化
2010年代中期になりますと、『洗練された大人っぽさ』をコンセプトとした『厳選フレーバーシリーズ』が登場します。少子化が進行し、大人をターゲットにした商品も必要になってきたのでしょうか。これは、現在発売中のプレミアシリーズへの布石と考えることができます。
無果汁から果汁入りへ、そして現在
2016年4月より、定番商品のオレンジとグレープに、果汁が1%配合されることになりました。ファンタといえば、無果汁の炭酸飲料というイメージがありましたが、発売58年で大きく転換しました。
また2020年には、果汁や果肉を配合したプレミアシリーズが発売されました。この製品のCMには同社『檸檬堂』のCMに出演している阿部寛さんが出演しているところからも、プレミアシリーズは大人がターゲットだと考えられます。
2021年には、ガールズグループNiziUデザイン限定ボトルも登場しました。また、2022年には『#はじめてのファンタ』というシリーズCMも放送されましたので、子ども、青少年、大人という3つのターゲットにそれぞれふさわしい商品を投入しているといえます。
以上、ファンタの歴史を簡単に追ってみました。
子どもの頃から知っているブランドではありますが、2000年代に入ってから、ラインナップに明らかな変化があることがわかりました。社会の変化や消費者の嗜好に合わせて、ロングセラー商品も変化しなければならない時代に入っているのだと強く感じました。
参考:ファンタオフィシャルサイト