寿司

スシローは本当に悪質だったのか。消費者が“まだ”知らない「おとり広告」騒動の裏側【回転寿司評論家が解説】(2ページ目)

回転寿司チェーンのスシローは6月9日、消費者庁から「おとり広告」による景品表示法に基づく措置命令を受けた。しかし、それから1カ月余りで「半額ビールキャンペーン」でも問題が発覚。誤解を招く広告表示で物議を醸すスシローについて、回転寿司評論家が解説する。

米川 伸生

執筆者:米川 伸生

寿司ガイド

「おとり広告」を生んだ? 回転寿司業界の“慣習”

ただ、これが今までの回転寿司業界の“慣習”だったという側面もある。キャンペーンのように普段取り扱わない商品を提供する場合、通常、1年ほど前から、遅くても半年前からは商品確保に動いている。寿司業界では商品部が会社の利益に密接に関わっているため彼らの権限が大きく、企業によってはアンタッチャブルな部署になっていることすらある。

最近ではなくなったと思うが、昭和の時代には商品部が裏で業者からマージンをもらっていた……なんてことはざらにあった話で、社長すら手を出せないほどの存在だったところも少なくない。特にキャンペーンを打つ側の「宣伝部」と商品を確保する「商品部」の連携には疑問符がつき、宣伝部が商品部に「どうなってるのか?」と聞けるような雰囲気でない企業も多くある。

なので、宣伝部としては商品が予定通りそろっているという前提でキャンペーンの準備を進めるしかなく、いざ蓋を開けたら、予定数の商品が集まらなかった、さらに予想以上の売れ行きで商品不足に陥ってしまった、なんてことになってしまうのだ。おそらくそれ以上でもそれ以下でもないと思うが、このコロナ禍だけにいつものように商品が確保できなかった、また商品の値上がりにより当初の予算で集められる量を確保できなかったことも間違いなくあるだろうから、イレギュラーケースが大きく影響したのは否めない。

特にうにに関しては1年以上前から集めていたとしても確保が難しかったはずだ。なにせこれまで100円で提供できたようなうにですら今や数倍の価格になっており、今回のように新物うにと銘打った商品がスシローのようなメガチェーンで2週間のキャンペーンに耐え切れるほど集められるとは到底思えない。

次ページ:実はどこでも触れられていない「おとり広告」騒動の裏側
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます