8月相場は「夏枯れ相場」と呼ばれるけれど…株価が下がりやすい銘柄は?
8月相場は「夏枯れ相場」や「お盆の閑散相場」と呼ばれており、個人投資家や機関投資家が夏季休暇に入り、市場参加者が少なくなると考えられ、相場が冷え込む傾向があります。そこで今回は下記のような条件で検証し、そのような相場の中でも特に株価が下がりやすい銘柄をご紹介します。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:全銘柄
検証期間:2000年1月1日~2022年6月30日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件:7月末の営業日に寄り付きで買い
売り条件:25日経過後の翌営業日に寄り付きで売り
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株価が下がりやすい銘柄を事前に知っておくことで、不用意に損失を被るリスクを回避することができるでしょう。
株価が下がりやすい銘柄を紹介する前に、過去22年間の8月の株式市場について検証していきます。7月末に日経平均採用銘柄(225銘柄)を購入し、8月末に売却した場合の過去22年間の成績は以下の通りです。
【検証結果】8月株式市場(日経225銘柄)の傾向
- 勝率:44.83%
- 勝ち数:2,066回
- 負け数:2,543回
- 引き分け数:40回
- 平均損益(円):-1,993円 平均損益(率):-1.00%
- 平均利益(円):14,144円 平均利益(率):7.07%
- 平均損失(円):-15,134円 平均損失(率):-7.57%
- 合計損益(円):-9,264,662円 合計損益(率):-4,632.43%
- 合計利益(円):29,221,360円 合計利益(率):14,611.19%
- 合計損失(円):-38,486,022円 合計損失(率):-19,243.62%
- PF(プロフィット・ファクター):0.759
- 平均保持日数:26.76日
以上が、8月の株式市場(日経平均225銘柄)の検証結果です。検証結果を見てみると、勝率は44.83%、平均損益は-1.00%となっています。勝率が5割を切っており、1トレードあたりの平均損益がマイナスであることから、8月の日経平均採用銘柄(225銘柄)は下がりやすい傾向があるといえるでしょう。
8月の低成績銘柄ランキング
次に、相場全体の株価が下がりやすい傾向のある8月相場の中でも、特に株価が下がりやすい傾向にある個別銘柄をご紹介します。 表は、先ほどの日経平均採用銘柄(225銘柄)を対象とした検証において、勝率が低かった銘柄のランキングです。今回は勝率が30%以下の銘柄を取り上げてみました。ランキング銘柄を見ると、食料品や銀行業といった銘柄が目立ちました。
■食料品銘柄
<2282>日本ハム……勝率18.18%
<2914>日本たばこ産業(JT)……勝率22.73%
<2503>キリンホールディングス……勝率27.27%
■銀行業銘柄
<8411>みずほフィナンシャルグループ……勝率21.05%
<8309>三井住友トラスト・ホールディングス……勝率25.00%
<8306>三菱UFJフィナンシャル・グループ……勝率28.57%
このように、軟調に推移しやすい傾向のある8月相場の中でも、上に挙げた「食料品銘柄」と「銀行業銘柄」の2つの業種は、特に軟調に推移する傾向が強いようです。
どの業種の個別銘柄も、月によって株価が上がりやすい時と下がりやすい時があります。簡単な検証結果でしたが、本記事で紹介した8月相場の傾向は、投資戦略を考える上での有効な判断材料の1つになるでしょう。
これらの数字は、あくまでも過去の検証結果ですので、これから先の未来でも同様の結果になる保証はありません。しかしながら、統計的な背景がある数字は、安心してトレードに臨むことができる心強い味方となってくれるでしょう。みなさんも投資する際には、ぜひ一度検証してみてくださいね。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)