妻から「母親みたいな存在」になってしまった?
妻から「母親のような存在」になってしまった。夫が“大きな息子”に変わったのは私のせい?
頼れる夫から頼りない息子へ。当の本人は意外と無自覚な場合があります。夫婦のことは夫婦にしか分かりません。悩むことなく仲良しならば、どんな関係性でもいいと筆者は考えます。
しかし「大きな息子」の世話ばかりさせられる「母親」のポジションが不満ならば、改善を試みたいもの。果たして、息子と母親のようになってしまった関係性は、変えることができるのでしょうか。
呼応する「相性の良さ」が仇となる
夫婦は「割れ鍋に綴じ蓋(われなべにとじぶた)」。各々がどれほど“いびつ”であろうと、夫婦2人でうまくいくならば、相性はベストといえるでしょう。しかしながら、その相性が悪い方向へと舵を切ってしまったのが「息子と母親」夫婦です。夫のほうが少しずつ妻に甘えがちになり、妻も愛情から「しょうがないなぁ」と世話を焼いた結果。あるいは妻がもともとサービス精神が旺盛(世話焼き)でいろいろやってあげてしまったあげく、夫がそれに甘んじるようになってしまったのでしょう。
先に変化したのが夫であろうと妻であろうと、すかさず呼応してしまったのは、相性が良い証拠。しかしそれで不満を抱くようになってしまったとしたら、心配なのはむしろ愛情量の変化です。以前は「しょうがないわねぇ」で許せたものが今は許せなくなったのは、甘えてばかりな夫に少しずつ幻滅してきたから。
どんなに相性が良くても、根っこに「好き」が保たれていなければ、夫婦関係にヒビが入るのは時間の問題。むしろ相性がいいからこそ、妻側でモードを変化させていけば、相手が呼応していいバランスになっていくことが期待できるのです。
出産を機に「赤ちゃん返り」するケースも
いつごろから夫が「大きな息子」モードになり始めたのか、覚えていますか? 実は「子どもが生まれてから」というケースが非常に多いのです。2番目の子どもが生まれた後、上の子が赤ちゃん返りするのはよくあること。ママにかわいがられている弟(または妹)を見て、自分も同じように甘えたくなるのでしょうね。夫は子どもではありません。それどころか「子どものいる父親」です。なのにしっかりするどころか「何もできない子ども」みたいになってしまったのは、無意識レベルで「自分を最優先に扱ってほしい」と思っているから。
子どもにばかりかまっている母親(妻)に対し「靴下がない」と出してこさせたり、「ごはんは?」と催促したりするのは、子どもが生まれる前と同じように「自分を愛してほしい」から。しかし当の夫は「不満をぶつける」という行為が妻に対する「甘え」であるという自覚がありません。
ただでさえ子育てで忙しいのに、夫までが甘えてくるのは許しがたいもの。子どものいない家庭だとしても、夫から母親のように甘えられるのは勘弁です。どうすれば、いい夫婦関係が築けるのでしょうか。
叱ったり注意したりするより、効果的なのは「褒める」こと
男性は社会的な生き物。だからこそ「家の中くらいは好きにしたい、という『甘え』」も生じやすいのかもしれません。注意した直後だけは態度を改めても、いつしか元に戻ってしまう。「分かった」と言いながらぜんぜん直してくれない。そんな場合に効果的なのは、家に来客を招くこと。「外部の人」がいれば、夫は多少無理してでも「表の顔」になるはず。いつもと違って甘えてこない「頼りがいある夫」を客人の前でベタ褒めし、帰った後も「今日のあなたはすごくかっこよかった」と絶賛するのです。
どんな人も、褒められれば悪い気はしないもの。ダメなときに叱られても直せないことは、逆に褒めるシチュエーションを作り「こうするのがベスト」と理解させるほうが効果的です。
一度や二度では改善できないかもしれません。あとは「外の顔」で振る舞う外出時など、あなたにとって嬉しい態度(荷物を持ってくれたり、リードしてくれたり)をしたときに、必ず褒めましょう。何度でも、しつこいくらい褒め倒し「頼りになる俺、かっこいい」と分かるまで繰り返せば、いつしか日常の振る舞い方にも変化が現れるはず。
「夫育て」は子育てと似ています。大きな子どものような態度をする夫には、大きな子どもを相手にしているつもりで、根気よく「私好み」に育てていきましょうね(笑)。
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