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「メタバース」「NFT」「Web3」を簡単に言うと? ビジネスパーソン向けにわかりやすく解説

「メタバース」「NFT」「Web3」について、ビジネスパーソン向けにわかりやすく解説します。

羽野 仁彦

執筆者:羽野 仁彦

Web3.0・Webサービスガイド

インターネットやデジタルの領域では、日々さまざまな用語が生まれています。中でもここ最近注目のキーワードといえるのが、ビジネスの場面でも聞かれるようになった「メタバース」「NFT」「Web3」ではないでしょうか。

米国Facebook社の社名がMeta社に変わったり、吉本興業、楽天、LINEなどの国内有名企業がNFTに参入したりと、世の中も大きく動いていることが実感できます。

メタバース、NFT、Web3は、今後のデジタル・インターネットビジネスでの重要なキーワードになるといわれています。ビジネスパーソンなら知っておきたい、メタバース、NFT、Web3を簡単に解説していきます。
 

「メタバース」とは? 簡単解説

メタバース(出典:いらすとや)

メタバース(出典:いらすとや)

Facebookを運営する企業の名前が急に「Meta」社に変わり、ビックリした人もいるかと思います。このmetaという言葉は、英語で「超」や「一段と高いレベル」という意味があります。メタバースという言葉は、この「一段と高いレベル」というキーワードの「メタ」に「宇宙」という意味の「ユニバース」を掛け合わせた造語として登場し、一種の商業的な3D仮想空間を指します。

では、なぜ「仮想空間」ではなく「メタバース」という言葉になったのでしょうか?

これまでは、通信速度・通信容量や端末処理速度などの問題で、仮想空間に同時に参加できる人数が限られており、ゲームでも、数人のパーティを組んで旅をしたりするなどが限界でした。

これが、5G技術や端末の処理速度の向上で、数百人、数千人規模の人が同時にアクセスしたり、コミュニケーションが取れることで、仮想空間の中でビジネスや創作活動ができるようになりました。実際、人気歌手が仮想空間でライブを行ったり、有名なスポーツメーカーが3Dアイテムを販売したりしています。

従来のゲームでも、ゲーム制作会社が予期しない遊び方や楽しみ方をするユーザーは一定数いました。それがメタバースでは、多くの人が仮想空間でコミュニケーションを取ることで、今まで考えもしなかったようなビジネスやアート活動が行われることが期待されています。

この新しいビジネス、創作活動が誕生するかもしれないというワクワク感が「メタバース」を盛り上げているともいえます。「メタバース」は生まれたばかりの言葉ですので、言葉の定義や統一的な解釈などはなく、さまざまな解釈、定義があります。この生まれたばかりの状況も含めて楽しみたいですね。
 

「NFT」とは? 簡単解説

NFT(出典:いらすとや)

NFT(出典:いらすとや)

NFTは非代替性トークンの略です。Non-Fungible Tokenの頭文字をとって「NFT」と呼ばれます。とはいっても、「非代替性」って何?「トークン」って何?という疑問がありますよね。

トークンは直訳すると「しるし」という意味ですが、「データが入っている箱」のようなイメージを持つと分かりやすいでしょう。このデータの箱には、さまざまな情報を入れることができます。

非代替性とは、代替することができない、つまり他にはなく唯一無二であることを指します。大雑把に説明すると、「唯一無二のデータの箱」がNFTです。

この唯一無二にする方法として「ブロックチェーン」という技術を利用しています。ブロックチェーンの詳しい説明は別の機会に行うとしますが、大雑把に解説するとブロックチェーン技術を利用して、このデータの箱に焼印のようなものを入れ込むということです。この焼印は、中に入っているデータの内容で、それぞれ全く違う焼印となります。世界中のブロックチェーンに参加するサーバーが証明してくれるので、誰も書き換えられないし、改ざんできないとされています。

データの箱にアート作品の情報やチケット情報を入れて焼印を押すことで、その情報をデジタル空間上で唯一無二化できるのです。これまで、簡単にコピーができるデジタルデータは唯一無二であることが証明できなかったのですが、焼印を押されたデータの箱は、世の中で1つしかないことが証明できるようになりました。
 

「Web3」とは? 簡単解説

多くの人がSNSでつながる時代に(出典:いらすとや)

多くの人がSNSでつながる時代に(出典:いらすとや)

ここ数カ月で「Web3(ウェブスリー)」という言葉を耳にしたビジネスパーソンも多いでしょう。では、Webになぜ番号がついているのでしょうか。Web3が登場したということは、Web1(Web 1.0)やWeb2(Web 2.0)も存在しています。

まずは、Web 1.0とWeb 2.0の歴史から説明していきましょう。

・Web 1.0の時代
Web 1.0は、インターネットの初期時代を指します。Windows 95が登場した1990年代半ばから2000年代前半で、当時は携帯電話も普及しておらず、光ファイバーが家庭にあることは稀な時代。インターネットへの接続は電話線とモデムで、低速な通信速度しか出せなかったため、画像などは少なく、主にテキスト情報が中心となったインターネットでした。

Web 1.0以前、情報発信者は新聞社やテレビ局などのメディア企業に限られていましたが、一部のHTMLを作成できる専門知識のあるユーザーは自分で情報が発信できるようになり、一般ユーザーでも情報が全世界に発信できるインターネットは画期的であったといえます。そんな一部の情報発信者と多くの「見る」一般ユーザーという構図であったインターネット時代がWeb 1.0です。

・Web 2.0の時代
2000年代後半にかけて、ADSLや光ファイバーが普及し始め、インターネットの通信速度が高速化してきました。携帯電話も普及し、スマートフォンも登場。通信速度がさらに速くなると、画像やイラストで表現された華やかな見栄えのWebサイトが増えました。

ブログやSNSを利用して、専門知識がない一般ユーザーも情報発信できるようになりました。この時代に登場したのが、Facebook、YouTubeなどの大手プラットフォームです。多くのユーザーがスマートフォンで写真を撮り、プラットフォーマーの力を借りて情報発信をするようになり、インターネットには情報が爆発的に増えることになりました。この時代をWeb 2.0と呼んでいます。

Web 2.0の時代は多くのユーザーが自由に情報発信をできるようにはなりましたが、Google、Facebook、Amazonのように少数の大手企業のサービスが情報発信の基盤を担う構図となりました。何をするにも、GoogleやFacebookのプラットフォームを利用するほうが便利な世の中になりました。

・Web3の時代
そこで登場したのが、「分散型」と呼ばれる概念です。分散型とは、単一のシステムに頼らず、それぞれのユーザーが持つ端末同士が繋がり、情報を取得したり、発信したりする概念です。
Web3は、情報の取得や発信、さらに決済などを、全て分散型でやれるようになる時代を指しています。

この分散型のインターネットを支える技術が「ブロックチェーン」技術です。Web 2.0までのインターネットは、サーバーにアクセスして情報を獲得するという構図であったのが、世界中の個々のユーザーの端末に、各個別のユーザーの端末がアクセスをして情報を取得できるような構図がWeb3の最終形とされています。

個々のユーザー端末が独立して分散型でデータ処理されるインターネットの世界がWeb3といえます。
 

メタバース、NFT、Web3の簡単解説まとめ

  • メタバースは「新しいビジネス・新しい創作活動の場として注目されている仮想空間」
  • NFTは「唯一無二のデータの箱」
  • Web3は「個々のユーザー端末が独立し分散型のデータ取得がされるインターネットの世界」
と覚えておくと、大まかに理解しやすいでしょう。


 
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