貯蓄1000万円以上ある人は、どれくらいの割合?
自分の周りの人が、いったいどれくらいの貯蓄があるかはわからないですよね。では、「1000万円以上貯めている人」は、実際にどれくらいいるのでしょうか。金融広報中央委員会が発表した「家計の金融行動に関する世論調査」(2021年)の[単身世帯調査]と[二人以上世帯調査]のデータから、20代~60代の一人暮らし、二人以上世帯それぞれのケース別に、ガイドが計算してみました。
あなたの年代について、ぜひチェックしてみてください。
※当記事の「貯蓄」とは、「金融資産」全体のことをさします。また、例えば翌日のカード引き落とし代など、日常的に使うために一時的に貯めているお金ではなく、将来のために備えている貯蓄や運用のためのお金をここでは「貯蓄」とします。
一人暮らしの人のうち、30代10.9%、40代は20.3%
一人暮らしの人のうち、20代~60代まで、貯蓄が1000万円以上あると答えた人の割合は以下のようになっています(データより、ガイド西山が計算)。●20代……2.8%(前年1.7%)
●30代……10.9%(前年9.2%)
●40代……20.3%(前年17.4%)
●50代……24.2%(前年18.1%)
●60代……36.7%(前年32.3%)
一人暮らしの20代の人で、貯蓄1000万円以上という人は3%未満とわずかな割合ですが、30代になると1割を超えます。「10人に1人の割合」と考えると、意外と多いと感じるのではないでしょうか。
40代、50代になると割合はさらに増えて、4、5人に1人くらいの割合、60代になると、4割近くになります。
いずれも、前年の割合から多くなっていることもわかります。コロナ禍で外出、外食、旅行などの機会が減ったことや、今後の不安から支出を抑えていることも影響しているかもしれません。
二人以上世帯の人のうち、30代は17.3%、40代は23.9%
では、二人以上の世帯の場合はどうでしょうか。20代~60代まで、貯蓄が1000万円以上あると答えた人の割合は以下のようになっています(データより、ガイド西山が計算)。●20代……8.2%(前年4.2%)
●30代……17.3%(前年20.2%)
●40代……23.9%(前年33.0%)
●50代……33.2%(前年42.7%)
●60代……44.1%(前年46.8%)
二人以上の世帯でも一人暮らしと同様に、やはり年代とともに割合が上がっています。しかし前年と比べると、20代を除いた、30代~60代では、1000万円以上貯蓄がある人の割合が減っているのが、一人暮らし世帯とは違うところです。
推察としては、子どもがいる場合で、教育費はコロナ禍では特に支出が減らないということが考えられますし、夫婦で共働きで、在宅勤務になってPC関連費や光熱費などがかさんだ人もいるでしょう。在宅時間が増え、1日3食を準備するのが大変で、テイクアウト、デリバリーなどが増えた可能性も考えられます。
また今回のデータでは、二人以上の世帯の方が、一人暮らしの人よりも1000万円以上の貯蓄がある人の割合が、全世帯において多いという結果でした。共働きなどで収入が多い可能性も考えられます。
一人暮らしに比べて、1000万円以上の貯蓄の割合が多い二人以上世帯ですが、「我が家はそんなに貯められていない……」というご家庭もあるでしょう。
二人以上世帯には、結婚して夫婦で収入がある人、働いているのは夫(または妻)だけという人などさまざまな背景の人がいます。結婚などにより住宅を購入したり、子どもの教育費がかかったりと、支出も実に千差万別です。
また、家族のなかに収入を得られる人が複数いると(たとえ、住宅購入費や子どもの教育費がかからなくても)、つい財布のヒモがゆるくなって出費がかさみ、貯蓄が増えないというケースも考えられます。
「夫(または妻)が貯めていると思って、すっかり安心していた」「実家住まいで、収入はすべてお小遣いとして使っていた」と、一人暮らしではない人は、貯蓄に意識が向いていない話もよく聞きます。二人以上世帯の場合は、“お金の出口”としての人数が増えますので、みんなで貯蓄への意識を高めていく必要があるでしょう。
自分が将来やりたいことを基準に、貯蓄計画を立てよう
今回は参考情報として、1000万円以上貯めている人の年代別の割合をお伝えしました。自分の年代の割合を見てどのように感じたでしょうか。以前の記事、『「1000万円貯めている人」は友達に話しているか?』でもお伝えしましたが、貯蓄額について、よほどの仲でない限り、知人、友人には話さないという人が多いようです。「お金なんて全然ない~!」といっている友人が、実は1000万円以上持っているケースも十分ありえるのです。
「みんなもお金ないって話していたし……」などと周りの話を基準にせず、自分が将来やりたいことなどを基準にして、ぜひ貯蓄計画を立てていってください。