亀山早苗の恋愛コラム

「完璧すぎる夫」に嫉妬してしまう…。性格も見た目もよくて社交的なパパと「こんな私」

誰から見ても「羨ましい」以外の言葉が出てこない、よくできた夫がいるというのに「なんだか寂しい」。どこか不安で、怖くてたまらないと不満を漏らす40代女性に話を聞いた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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家庭がうまくいっているのは何より喜ばしいことだ。しかも夫は子どもをかわいがり、家事も積極的におこなっている。誰から見ても「羨ましい」以外の言葉が出てこない状況なのに、「なんだか寂しい」と不満をもらす妻がいる。
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夫ができた人すぎて「不満」

「うちの夫、本当に性格もいいし見た目もいいし、友だちも多いし、なにより子どもたちから絶大な信頼を得ているんです」

アユミさん(44歳)はそう言う。2歳年上の夫の写真を見せてくれたが、確かにさっぱり系の爽やかなイケメン。30代でも通る若々しさがあり「年上の妻」だと思われがちだという。

結婚して15年。14歳の長女と12歳の長男、10歳の次男はいずれもパパが大好きだ。

「子どもたちが小さいころ、私は専業主婦でした。当時から夫はよく家の中のことも黙ってしてくれていたし、時には『そろそろ美容院に行きたい時期じゃない?』と言ってくれた。いちばん下の子が4歳になったころ、昔の職場から声をかけてもらって再就職しました。夫とは収入もお互いにガラス張り。何でも相談できるし、夫が声を荒げたところを見たことがありません」

今、長女は部活に夢中。長男はサッカー、次男は理科の実験が大好きで、そうしたイベントに行きたがる。夫は3人の子に公平に時間と愛情を注いでいる。仕事も忙しいのに、時間の使い方がうまいのだという。

「土曜日などは近くに住む義母に次男を頼んで、ふたりで近所のカフェでブランチ、そのまま映画を観に行くこともあります。義母がまたいい人で……」

結婚してから何一つ不満がないのだという。ところが人間というのは不思議なもので、不満がないのが不満となることもある。
 

私がいなくてもいいのかもしれない

昨年、地方に住むアユミさんの父親が倒れた。最初は「ここ数日でどういう変化が起こるかわからない」と言われたため、夫はアユミさんにすぐに帰郷するようにと言ってくれた。

「幸い、危機は数日で脱したため、私は4日後には自宅に戻ったんですが、帰ってみると家の中はそこそこきれいだし、ゴミがたまっている状況でもない。義父母はその時期、たまたま旅行に出かけていたので義母の助けを借りたわけでもない。夫と子どもたちが協力して『ちゃんとやってたよ』と。ありがとうとは言ったものの、なんとなく私なんていなくてもこの人たちは大丈夫なんだなと思ったら、急に寂しくなってきて……」

それ以前から、子どもたちは母親である自分より父親のほうが好きなんだろうと感じることがあった。夫に愚痴ったこともある。夫は笑いながら「そんなこと、あるわけないだろ。子どもたちは親を比べたりしないよ」とアユミさんを抱きしめた。

「でも私、どこか不安で怖くてたまらないんですよね。夫は友だちも多いし顔も広い。いつも元気で生き生きしていて、誰が見ても友だちになりたいような人。でも私はどちらかといえば社交的ではないし、自分でもつまらない女だなと思う。そのうち、夫も子どもたちも『ママなんていなくても平気だね』と言い出すのではないかと思って」

アユミさんは自分の親に認めてもらえなかったつらい経験がある。特に母親が「ダメな子」とレッテルを貼った。それなのに大人になるにつれ、経済的な支援を求めたり「親に孝行できないのか」と言われたりしたこともある。

「父は結局、元気になったのでホッとしました。もし父がいなくなって母がひとりになったら、私はひとりっ子なのでなにを要求されるかわからない。親への怯えが抜けないので、どうしても自分で自分を認めることもできないんです」

夫はアユミさんのそんな不安を知っている。だからこそ大切にしてくれるのだが、彼女はそれを素直に受け取れないところがある。自分でもわかっているのだが、「こんな素晴らしい夫に見合う自分だろうか」と考えてしまうらしい。

「夫のように素直に生きたい。幸い、子どもたちはまっすぐ育ってくれています。私が悪影響を与えないようにしなくちゃと思ってる。夫は『アユミみたいに謙虚だったり、自分を深く考えたりすることも重要だよ。オレは能天気すぎる』とよく言うけど、それは私を立ててくれているだけ。そういう夫の好意を無にしないようにがんばらなければとまた肩に力が入ってしまうんです」

子ども時代に培われたネガティブな“こんな私”の呪いは大きい。

「いつも悩んでいるわけじゃないんですが、誰にも言えない心のうちなんです。それとなく親しい人に打ち明けても、ただの夫自慢としか受け取られなくて」

ネガティブ思考に陥ると、まさにスパイラル状態となってしまうものだ。どうしても擦り込まれた自己否定の感情は払拭できないのかもしれない。だが結婚して15年、夫の大きな愛情にそろそろ甘えてもいいのではないだろうか。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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