そんなiPhone SEの新モデル「iPhone SE(第3世代)」が3月18日に発売されました。廉価版という位置付けながら、2021年秋に発売の「iPhone 13」でも使われている最新のチップセットが採用されたとあって、注目を集めています。
そこで今回は、新しいiPhone SE(第3世代)について、筆者の思うところをお話しします。
「過去のモデルとココが違う!」「こういう点に違いがある」といった、過去モデルとの性能比較は、いろんな記事がすでにいっぱいありますので、今回は取りあげません。
今回はあえて、Webディレクターの筆者が思うiPhone SE(第3世代)のちょっと残念に思えるポイントを紹介します。
ディスプレイのクオリティには変化なし
iPhone SE(第3世代)では、ホームボタンが引き続き採用され、「全画面ディスプレイ」ではなく、ベゼル(枠)のあるデザインとなりました。ディスプレイの品質は、第2世代から変更はありません。画面については、「Retina HDディスプレイ」を採用。一方iPhone 13などでは「Super Retina XDRディスプレイ」が使われています。
「Retina HDディスプレイ」は液晶ディスプレイであり、「Super Retina XDRディスプレイ」は有機ELディスプレイ。細かな違いは省略しますが、有機ELのほうが発色がよく、鮮やかで鮮明であるといわれています。
筆者はiPhoneで写真や動画の撮影&閲覧、あるいはゲームなどを楽しむことが多いので、「Super Retina XDRディスプレイ」だったらと思うところではあります。
ですが、iPhoneのRetina HDディスプレイも十分に綺麗ですし、日常で使っている限りでは、おそらく不満はでないでしょう。
カメラとビデオ性能もほとんど変化なし
カメラ性能も、ほとんどが第2世代から据え置き。カメラやビデオについては、大きな変化はありませんでした。・光学ズームに非対応 個人的にかなりのガッカリポイントだったのが、光学ズームに対応しなかった点です。
ズームには「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2種類があります。「デジタルズーム」は撮影した写真を引き伸ばすので、画質が荒くなりますが、「光学ズーム」は写真の品質を落とさずに被写体によれます。
筆者はいま「iPhone 12 Pro Max」を愛用しているのですが、2.5倍の光学ズームには大変お世話になっています。小さな被写体にグイッと近づけるのは、この機能があってこそ。
光学ズームがあるだけで、写真の表現の幅が広がるので、これはぜひ採用してもらいたかった点ですね。残念です。
・センサーシフト光学式手ぶれ補正に非対応 iPhoneの最新の手ブレ補正機能「センサーシフト光学式手ぶれ補正」も不採用となりました。これは当然といえば当然ですね。
この機能は「iPhone 12」シリーズでも限られたモデルでしか採用されておらず、「iPhone 13」シリーズから無印モデルにも採用された、最新の手ブレ補正機能。手で撮影しただけで、画面の揺れがおどろくほどおさえられて、さながら映画のような動画が素人でもカンタンに撮れてしまいます。
最新の機能ですし、廉価版であるiPhone SEには採用されませんでしたね。
しかしiPhone SE(第2世代)から引き続き、光学式手ブレ補正には対応していますので、「作品」ではなく、日常を切り取る「スナップ動画」的な用途としては十分でしょう。
Face ID(顔認証)に非対応で、Touch ID(指紋認証)が採用
iPhone SE(第3世代)では、引き続きホームボタンが採用。ロック解除の方式も、Face ID(顔認証)ではなく、Touch ID(指紋認証)が採用されました。個人的には「Face IDにも対応してほしかったなぁ」というのが本音です。
Face IDの魅力は「日常的な動作の流れのなかで勝手にロックが外れる」という自然さです。スムーズさといってもいいでしょう。
iPhoneを使うときには自然と画面に視線を落とすので、「ロックを解除しよう」と意識することなく、自然な流れでロックが外れます。
「iPhoneを持ち上げる」→(ロックが自然とはずれる)→「すぐにiPhoneを使い始められる」という一連の動作のなかで、ユーザーが「ロックを解除しよう」と意識する必要がありません。
この自然さが気持ちいいですし、便利だと感じています。
加えて「iOS 15.4」からは、iPhone 12以降の機種のみ対応という制限こそありますが、マスクを付けたままでもFace IDでロックが解除できるようになって、ますます利便性も向上しました。
ですがこれは、一概に「残念なポイント」とはいえません。
自分の意図しないタイミングで、勝手にロックがはずれることを、わずらわしいと感じることもたまにありますし。人によってはむしろ、指紋認証のほうがうれしいこともあると思います。
バッテリーの容量
バッテリー容量は微増。ビデオ再生時間で比較すると、第2世代が最大13時間なのに対して、第3世代では最大15時間となりました。しかし、iPhone 13の最大19時間にはおよびません。「iPhone 13 mini」でも最大17時間となりますので、最近リリースされたiPhoneの中では一番容量が少なく、不安が残ります。
日常生活だけであれば十分かもしれませんが、「SNSを頻繁にチェックする」「Netflixなどでの動画視聴が多い」「ゲームが好きでよくプレイする」といった場合は、何かしらのバッテリー対策が必要になりそうです。
高速充電に対応しているのは、うれしいポイントです。30分で最大50%まで充電できますので、ちょっとしたスキマ時間を活用していけば、バッテリー切れを心配しなくてすみそうです。
MagSafeに非対応
「MagSafe」は、Appleが開発した磁気技術。iPhoneの背面に協力な磁気が備わっており、これによりワイヤレス充電を可能にし、専用のアクセサリを装着できます。iPhone 12シリーズ以降で採用されましたが、iPhone SE(第3世代)では不採用となりました。「ないと不便か?」と聞かれると、べつにそんなこともなく、むしろ普段は備わっていることを忘れてしまうぐらいだったりします。
ただ、MagSafe専用のアクセサリーが徐々に増えてきており、これらが使えないのはちょっと残念だなとは感じました。
筆者はいま、MagSafeでくっつけるタイプの落下防止リングを使っています。ケースを付けていないiPhoneに対して、手軽に着脱できる“取っ手”をつけられるとあって、非常に重宝しています。
あったらあったでうれしい機能だったので、不採用になったのはすこし残念でした。
結論:リーズナブルで必要十分な機能
今回はあえて「ちょっと残念に思うポイント」に絞って話をさせていただきました。ですがトータルで考えれば、iPhone SE(第3世代)は非常に魅力的なデバイスです。コンパクトで、片手で使うのにちょうどいいサイズ。それでいて、iPhone 13と同じチップが採用されていて、処理速度が向上しました。
生活必需品としてのスマートフォンは「iPhone SE」でコストをおさえ、エンタメやビジネスツールとしては「iPad mini 6」を使う。このような形で、役割に応じてデバイスを上手に使い分けるのが、賢い選択なのかもしれませんね。
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