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春に「ふるさと納税」をするメリットと注意点

「ふるさと納税」というと、年末に駆け込みでする人が多いもの。ですが、実は春の季節にふるさと納税をするメリットもあるのです。注意点とあわせてお伝えします。【2024年更新】

西山 美紀

執筆者:西山 美紀

貯蓄ガイド

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「ふるさと納税」というと、年末にする人が多いでしょう。秋から冬にかけて、ふるさと納税についての記事やニュースが増えますし、「そろそろ今年も終わりだな、ふるさと納税をしよう!」と駆け込みでするケースが多いですよね。

ですが、年末は何かとやることが多く、慌ただしいもの。調べる時間などもなく、後回しになり、年を越すとふるさと納税についてはすっかり忘れてしまっていた……なんてこともあるのでは? そこで年末だけではなく、春のうちからふるさと納税をしてみませんか、というご提案です。
年末は何かと慌ただしくなるから、この春にもトライしてみませんか?

年末は何かと慌ただしくなるので、春からふるさと納税にトライしてみませんか?

春にふるさと納税をするメリット

ふるさと納税は、実質自己負担額2000円で、寄附をした自治体から返礼品を受け取ることができる仕組みです。寄附できる金額には上限額があり、自分の年収や家族構成によって変わります。

その年(1月1日~12月31日まで)の年収などが、はっきりわかるのは年末であり、自分がふるさと納税をする上限額も明確になります。そのため、確かに年末はふるさと納税をスムーズにできる時期といえます。

ですが、春に行うメリットもたくさんあります。

メリット1:年末になって、慌てなくて済む
今年は早めにちょっと重たい腰をあげて、やや余裕のある春の時期から始めてみてはいかがでしょうか。特に春は、新しいことに挑戦したくなる時期。「今年はふるさと納税に挑戦!」というのもいいかもしれません。

また、すでにふるさと納税をしている人も、年収が高い人なら、たくさんの寄附が可能です。寄附先を選ぶのにも時間がかかると思いますので、時期を分散させて春に一部寄附をすると、年末に慌てずに済むはずです。

また、これは昨年の例ですが、昨年10月から返礼品や経費に対してのルールが厳しくなったことを覚えていますでしょうか。同じ返礼品を受け取る場合でも寄附金額が上がったり、同じ寄附金額で品物が減ったりしました。1年間の間で、そういった制度変更もありますので、ふるさと納税の一部を、一年の前半に少ししておくのもよいかもしれません。

メリット2:旬の返礼品を選べる
ふるさと納税の楽しみは、その地方ならではの特産品を返礼品としてもらえること。特産品は、通年で用意されているものもありますが、季節のフルーツなど期間限定のものもたくさんあります。

春から夏の季節なら、いちごやマンゴー、ぶどう(人気のシャインマスカットなど)、桃といった旬のフルーツや、トマトなどの夏野菜もあります。さらには、秋ごろに発送される新米の「先行予約」を受け付けているところもあります。

春や夏の旬の返礼品を選ぶのも、この時期にふるさと納税をする楽しみでしょう。

メリット3:返礼品の品切れも防げる
年末にはふるさと納税の話題が注目され、寄附が一気に集中して、返礼品が品切れになるケースが多々あります。魅力的な特産品をチェックしていたのに「数日たって見てみたら『品切れ』になっていてがっかりした」という声も。

その点、春の時期ならふるさと納税の話題が少ないですし、何か1つに集中することはないでしょう。品切れを気にせずに選ぶことができます。

春にふるさと納税をするときの注意点は?

メリットもある一方で、注意点もあるので確認しましょう。

注意点1:見込み年収で、どんどん寄附をしない
今年の年収について、春の時期はまだ確定していないことに注意が必要です。人生、何があるかわかりません。

これから年末にかけて、仕事を辞めたり、転職したり、病気やケガをしたりして、収入がダウンするかもしれません(ダウンすると、実質自己負担額2000円でふるさと納税の返礼品を受け取れる寄附上限額が減ります。年収がアップする分には寄附上限額が上がるので、気にしなくてよいですが……)。

また、ふるさと納税以外に税金控除を受けるような場合もあるかもしれません。例えば、住宅を買ってローンを組むことになり、住宅ローン控除を受けたりするかもしれませんし、全然病院に行っていないという人でも、予想外のことで医療費がかかって医療費控除を受けたりする可能性もゼロではありません。いずれの控除も受けることで、ふるさと納税の寄附上限額がやや下がることになります。

そのため、春にふるさと納税を行う場合は、今年の年収見込みから早急に判断せずに、様子を見ながら少しずつ行うといいでしょう。

注意点2:寄附した金額や寄附先を忘れないようにする
寄附上限額を超えてしまった分は原則自己負担となり、税金の控除対象になりません。そのため、春から少しずつふるさと納税をする場合は、時期が分散するため「いくら寄附をしたか」という合計額がわからなくならないように注意が必要です。

1つのふるさと納税ポータルサイトを使えば、合計額がわかって便利ですが、もし複数のサイトを使う場合は、合計金額をメモしておくといいでしょう。

そして、ふるさと納税をして控除を受ける場合、確定申告をする必要がありますが、寄附先が5つ以内などの条件を満たせば、寄附をした自治体と書類をやりとりするだけで済む「ワンストップ特例制度」を利用することができます。

しかし、ふるさと納税の時期が分散することで、気付いたら6つ以上の自治体に寄附していたとならないように注意してください。ワンストップ特例制度を利用する人は、寄附先を5つ以内に収めるために、どの自治体に寄附をしたのかしっかりメモしておきましょう。

注意点3:必要書類の紛失に気を付けて
ふるさと納税をすると、寄附先の自治体から「寄附金受領証明書」が送られてきます。時期を分散してふるさと納税をすることで、送られてきた書類をなくさないように注意しましょう。

最近は、国税庁が指定したポータルサイトやマイナポータルから「寄附金控除に関する証明書」の電子データをダウンロードして確定申告時に添付する方法もあり、どんどん便利になってきています。

しかし、指定したポータルサイトを使わないケースもあるかもしれませんので、届いた書類は念のためしっかり保管しておきましょう。

春から夏に旬を迎える人気のフルーツや食品をチェックしてみては?

では、この春の時期にぴったりの返礼品の例を見てみましょう。

※2024年4月上旬に確認しています。すでに終了していたり、品切れの場合もありますので、詳細は各サイトをご確認ください

●ふるさとチョイス
「春野菜」(アスパラガスやたけのこ、新玉ねぎ、山菜など)や「春の魚介」(大粒あさり、しらす、桜えび、ほたるいか、真鯛など)のほか、いちごや桜を楽しむ「春スイーツ」などの特集があります。

また、「フルーツ先行予約」もあります。夏のフルーツを今から予約しておこう!という特集で、シャインマスカットやもも、スイカ、ぶどう、メロン、マンゴー、トロピカルフルーツなどがあります。夏以降の受け取りをイメージして、検討してみるのもよさそうですね。

●楽天ふるさと納税
「春の収穫祭」と題して、新鮮な「春のフルーツ」(いちご、はっさく、甘夏、ネーブルオレンジ)のほか、さまざまな季節の旬のフルーツをお届けする「定期便」の紹介もあります。

また「春野菜」として、アスパラガス、新たまねぎ、新じゃが、たけのこ、そして「春グルメ」として、牡蠣、ほたるいか、あおさ、あさりなどの紹介もあります。

眺めているだけで、春気分を満喫できそうです!

ただし「ふるさと納税」は、あくまでもその地方を応援するのが真の目的です。“お得”といったフレーズも気になるところですが、応援したい地域もしっかり考えながら手続きしてみてください。

ふるさと納税の詳細については、拙著『お金の増やし方(主婦の友社)』でも解説しておりますので、よろしければご覧ください。
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