亀山早苗の恋愛コラム

マウント女子への適切な対処法…数年ぶりに連絡してきて「あなたの元彼と結婚するの」と言われたら?

元カレと友人が結婚。あまり気分のいい展開ではないだろうが、世間は狭いものなのでそういうこともありうる。そこでどういう対応をとるかは、今後を生きていく上で意外と重要なのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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元カレと友人が結婚。あまり気分のいい展開ではないだろうが、世間は狭いものなのでそういうこともありうる。そこでどういう対応をとるかは、今後を生きていく上で意外と重要なのかもしれない。
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いきなりマウントをとってくる友人

半年ほど前のこと。ある日、数年ぶりにかつての友人が連絡してきたとカホさん(35歳)は言う。それはなんとなく疎遠になっていた、新卒で入社したときの同期のマリエさんだった。

「結婚するの、という話だったので、おめでとうと言ったんですが、『相手が誰か聞きたい?』と。聞きたいと言うしかないから言ったら、『あなたの元カレよ』って。『結婚式には来てね』と言われて呆然としました」

30歳のころから2年つきあい、結婚を考えた彼だった。だが彼の言動がどうしても信じられなくなったカホさんは、悩み抜いた末に別れを告げた。

「あとから共通の知り合いに聞いたら、やっぱり浮気をしていたらしい。正直に白状もせず、しらを切り通して『カホはオレのことが信じられないってことだね、そんなんじゃ一生をともにはできないね』と怒鳴った男だったから、信用しなくてよかったと思ったんです」

その1年後、33歳のときカホさんは他の男性と出会って結婚。今は一児の母となり、仕事に家庭にと忙しいながらも充実した日々を送っている。

「夫もがんばってくれてはいるけど、もともと出張の多い人なんです。コロナ禍で若干減ったけど、最近はまた増えていて。そういうところが不満といえば不満だけど、何でも完璧というわけにはいきませんから」

マリエさんがどうやって元彼と知り合ったのか、当初、カホさんは知らなかった。だがその後、共通の知り合いを通じて、マリエさんがカホさんの元彼をずっと「狙っていた」と知らされた。

「当時、元彼と私が連れ立っているのをマリエが見たことがあるらしいんです。それで好きになった、と。ただ当時、彼女は結婚していたから身動きがとれなかった。私が別れてから、マリエは離婚、そこから元彼に近づいていったらしい。彼女の努力が実を結んだのだから、それはそれでいいんじゃないのと思っていました」

カホさんは元彼には未練はない。だが、マリエさんはそれからたびたびメッセージを送ってきたり電話をかけてきたりするようになった。

「彼がどんなに自分を愛しているか、自分たちがどれほど素敵な結婚式をするかを語りたいみたい。元カノの私に。めんどうなのでそのうち、メッセージも電話も無視するようになりました」

未練はないのにモヤモヤする。元カレとはほぼ同棲していたので、そのころのことを思い出してしまう。元カレは確かにいい男だった、ちょっと軽いけど仕事もできたし友だちも多かった。今の夫はまじめだけど、一緒にいて楽しくはない。夫の不在も多かったので、つい元カレと比べることもあった。
 

元カレからの突然の連絡

3カ月前、元カレから連絡があり、カホさんは思わず電話に出てしまった。

「結婚するんだってねと言ったら、相談があるんだけど会えないかなと言われて。私のかつての友人と結婚するにあたって相談があると言われて少しいい気分だったんですよね。会うくらいはいいだろうと、会う約束をしました」

夫が珍しく家にいる日だったので、仕事帰りに友だちに会うと言うと、「いつもひとりで大変な思いをしているんだから、ゆっくり行っておいで」と送り出してくれた。

「元カレに会って、どんな皮肉をぶちかましてやろうか、あるいは相談に親身になっているふりをしてひどいアドバイスをしてやろうかと考えていました。やってきた彼、夫と同い年なんですが、やっぱりかっこよかった。素敵なレストランを予約していると言って、颯爽とタクシーを拾ってくれて」

食事をしながら、会っていなかった3年間の話をしていたが、いつしか話は「別れたころのこと」になっていった。

そこでカホさんは、元カレが浮気なんかしていなかったと聞かされた。なぜかわからないが誤解されたと元カレはずっと思っていた。自分が結婚するにあたって、「どうしてもカホとのわだかまりを解いておきたかった」と。「本当ならカホと僕が結婚していたはずなのに」と元カレは涙ぐんだという。

「今さらそんなことを言われても……と私も泣いてしまいました。このまま別れて帰ったら一生後悔する。そう言ってしまった。元カレも同じ思いでした。そして『過去にけりをつけよう』とホテルへ行ったんです。今思えば軽率だったけど、後悔はしていません」

彼と別れて夜遅くに自宅に帰ったカホさん。「夜食があるよ」という夫の声にすべてが吹っ切れたという。

「元カレは、本当は結婚したくないとも言っていました。今後も会いたいとも。ただ、それは元カレの優しさ、真に受けてはいけないと思った。一度だけ、それがすべてと言ったよねと元カレに言いました。わかったと彼も言った。マリエからは本当に結婚式の招待状が届きました。マウントとりたいと思ったんでしょう。でも私はそんなつまらない諍いからは降りました」

元カレともマリエさんとも、それきり一度も連絡をとっていない。ふたりの結婚生活はそれなりにうまくいっているようだ。

「それでいいと思う。過去を今に持ち込んでも何もいいことはないと思うから。私は今の夫との生活を、ときどき不満を言いながらも大事にしていきたい。最近夫と、もうひとり子どもをと話しているんです」

カホさんもマリエさんも、同じ男性を好きになって、どこかモヤモヤした気持ちを抱えていたのかもしれない。マリエさんはカホさんに絡んでくることですっきりしたかったのだろうが、カホさんは元カレと直接関わることでその争いから脱出した。

「元カレも私も、このことは一生黙って墓場まで持っていく約束をしています。私はきっちりそれを守るつもり」

カホさんは晴れやかな笑顔を見せた。
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